資源エネルギー庁 「日本のエネルギー」を公表

資源エネルギー庁は、このほど「日本のエネルギー」(広報パンフレット)を公表した。
 
このパンフレットは、日本のエネルギー事情を一般の国民にも分かりやすく伝えることを目的に毎年、作成されており、2024年版は「エネルギーの今を知る10の質問」という構成で主要なエネルギーの関連テーマを質問形式でまとめている。
 
パンフレットではまず、エネルギー政策の基本方針を「S+3E」と表現している。
 
これは、安全性(Safety)の確保を大前提に、エネルギー安定供給(Energy Security)を第一として、経済効率性の向上(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)という3つのEを実現するため取組を進めていることを示している。
 
日本はすぐに使える資源が乏しく、国土を山と深い海に囲まれているといった地理的制約を抱えており、エネルギーの安定供給と脱炭素を両立する観点から再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に依存しないようバランスのとれた電源構成を目指すこととしている。
 
安定供給の項目では、日本のエネルギー自給率が2024年度において16.4%と他のOECD諸国などと比較しても低い水準であり、これは国産のエネルギー資源が限られており、海外から輸入される石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料への依存度が80%と非常に高いためであると説明している。
 
経済性の項目では、これまでの電気料金の変化について東日本大震災以降、燃料輸入価格の高騰に伴い、2022年度は電気料金が大幅に上昇したが、その後の燃料輸入価格の低下により、高騰時と比べると低くなってきていると説明している。
 
また、2012年の固定価格買取制度(太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーを電力会社が一定価格で一定期間買い取る制度)の導入以降、再エネルギーの設備容量は急速に伸びてきており、制度開始前から約5倍となっており、今後も導入拡大を図っていくことが明らかにされている。
 
環境の項目では、地球温暖化対策や温室効果ガス排出削減の取組が説明されており、再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギー技術の普及により、脱炭素化に向けて具体的な数値目標を示して進めていくとしている。
 
安全性の項目では、激甚化する自然災害に対してどのようにエネルギー安定供給と安全性を確保するかについて、電力インフラの強靭化や安全性を高めた新規制基準への対応のための具体的な施策を紹介している。
 
また、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・バイオマス等)の拡大、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に向けた社会変革の取組であるGX(グリーントランスフォーメーション)、原子力の安全・安定活用、福島の復興や廃炉、処理水対策などについても詳しく説明されている。
 
このパンフレットを一読することにより、日本が直面するエネルギー課題とその政策を理解することができ、将来の展望を知るうえで役立つ内容となっている。
 
(参考)日本のエネルギー

https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2025.pdf