「最低賃金に関する要望」について

日本商工会議所、東京商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会の中小企業4団体は、連名で「最低賃金に関する要望」を取りまとめ、4月16日に公表した。要望の概要については以下のとおりである。
 
わが国が成長型経済へ本格的に移行するためには、企業が成長の果実を賃金や投資へ循環させていくことが重要であり、雇用の約7割(三大都市圏を除くと約9割)を支える中小企業・小規模事業者の自発的・持続的な賃上げが不可欠である。深刻な人手不足と物価高騰を背景に、中小企業・小規模事業者も懸命に賃上げに取り組んでいるが、業績改善を伴わない「防衛的な賃上げ」の割合は依然として高く、円安の進行や中東をはじめとする国際情勢の不安定化によるコストの増大など経営への影響も懸念される。
 
こうした中、最低賃金は近年大幅な引上げが続き、中小企業・小規模事業者の支払能力などの経営実態を踏まえると、極めて厳しい水準にある。とりわけ地方において、引上げの影響や負担感が大きい。物価と賃金の上昇が続く中、ある程度の引上げは必要と考えるが、企業の経営実態を踏まえない引上げは、地方の産業・生活インフラを支える中小企業・小規模事業者の事業継続を脅かし、地域経済に深刻な影響を与えかねない。
 
特に昨年は、地域間競争への過度な意識などから、地方最低賃金審議会において、中央最低賃金審議会が示した目安への大幅な上乗せが相次ぎ、各地から、根拠を欠くとの声が上がった。改めて、法の趣旨を踏まえた、中央・地方での法定三要素(賃金・生計費・支払能力)に基づく熟議の徹底が求められる。
 
こうした認識のもと、2026年度の中央・地方における最低賃金審議にあたり、政府に対して以下の5点を強く要望し、今後、政府・与党へ提出するとともに、実現を働きかけていくとしている。
 
1 中小企業・小規模事業者の経営実態を踏まえた政府方針への見直しを[新規]
2 法定三要素に基づく審議会での議論の徹底、過度な地域間競争の抑制を[新規]
3 企業の準備期間等を踏まえた合理的な発効日の設定を[新規]
4 産業別に定める特定最低賃金制度の適切な運用を
5 中小企業・小規模事業者が自発的・持続的に賃上げできる環境整備の推進を
 
(参考)「最低賃金に関する要望」について

https://www.jcci.or.jp/news/recommendations/2026/0416140005.html