知的財産活用事例集デジタルブックの公開

日本商工会議所は、2月17日、知的財産活用事例集「知恵を『稼ぐ力』に~100社の舞台裏~」について、デジタルブックをHPに公開した。
 
日本商工会議所では2023年11月から、「知財経営」を実践する全国の中小企業等の事例取材を開始しており、この度100社の事例をまとめたデジタルブックを公開した。この事例集では、中小企業の経営者等が「知財の活用=稼ぐ力」であることを認識し、自らも知財経営を進める契機とすることを目的として、知的財産権の取得に至ったきっかけや、取得までの過程、これから知財活用に取り組む企業に向けたメッセージなどが紹介されている。
 
知的財産を会社の資産とするには、知的財産を創造するだけでなく、知的財産に関する制度を理解し、他社の知的財産の保有や活用状況を把握し、自社の知財管理を十分に行う必要がある。
 
創造した知的財産を守り育てることにより、模倣品による被害や他社の権利の侵害などの知財リスクを軽減することができる。知財経営においては、「転ばぬ先の杖」と表現されることもあるように、事前の戦略や保護活用の体制づくりが重要となる。また、経営資源が限られる中小企業がニッチな領域で独自の市場を切り拓き参入障壁を作るには、知的財産は大きな武器となる。
 
知的財産の保護活用による信用カや知名度の向上、さらには持続的な成長に繋がる知財経営の実践について、この一冊に100通りの方法が掲載されており、下記の3つの活用方法を参考に、自社への適用を検討してみるとよい。
 
活用法1
業種や企業規模が似ている企業の事例を参考にする
 類似する業種においては、有効な知的財産の活用方法が似ていることがある。初めて知財経営に取り組む場合には、近い業種の複数の会社の事例を自社に当てはめてみて、参考になるところをリストアップし、実践できそうなところから知財経営をスタートしてみるとよい。小規模事業者の事例も多く掲載されているため、業種以外にも、一覧表の小規模事業者の表示や、各事例の「COMPANY DATAJに記載された事業規模、従業員数、創業時期などを目安にして、参考にする事例を選ぶこともできる(掲載されている事例のうち、小規模事業者は41社、特許取得76社、商標取得95社となっており、業種別では製造業67社、建設業11社、サービス業9社、その他13社となっている)。
 
活用法2
取得・活用している知的財産権の種類や見出しを参考にする
 同じ製造業でも得意な分野が技術であったりデザインであったりと様々です。この事例集では、各事例において取得活用している知的財産権の種類を一覧で見ることができるので、自社が重視したい知的財産や事例の見出しで選ぶのもよいと考えられる。特許を取得・活用している企業の事例を読むと、特許のみでの保護でなく、商標などと組み合わせて多面的な知財保護を図っていることが分かる。
 
活用法3
経営者からのメッセージ、トラブル事例を参考にしてみる
 各事例の「知財取得を目指す経営者へメッセージ」の欄に、掲載企業の経営者から読者の経営者へメッセージが掲載されている。このメッセージは、知財経営に取り組んだ経営者の生の声であり、実感がこもったメッセージで、非常に参考になる。知的財産の戦略を後回しにしていたがために苦労した企業も少なくない。知財トラブルのリスクを事前に回避し新たな事業のチャンスとするために、トラブルを乗り越えた経営者の声に耳を傾けることは有用なものとなる。
 
(参考)知的財産活用事例集「知恵を『稼ぐ力』に~100社の舞台裏~」デジタルブックを公開しました!

https://www.jcci.or.jp/news/news/2026/0217130000.html