2026-04-28
経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)は、4月14日、「税・財政・社会保障一体改革に関する基本的考え方」(投資牽引型経済の実現による成長と分配の好循環)を公表した。
これは、日本の急速な少子高齢化・人口減少と社会保障費の増大を踏まえ、持続可能な社会保障制度と健全な財政を同時に実現するために必要な改革についての基本的な考え方を提言したものである。
我が国では、高齢化率(65歳以上の人口比率)が2020年で全体の約28.6%に達し、世界で最も高い水準にある一方、現役世代(15~64歳)は、2000年の約8,600万人から2020年は約7,500万人へと減少しており、支える側の縮小が顕著になっている。
この人口構造の変化により、年金・医療・介護など社会保障給付費は増加し、対GDP比で約20%と高齢者関連支出の比重が大きい状況となっている。
この中で目指すべき国家像について「国民生活と社会の姿」をテーマに、国民一人ひとりが誇りをもって主体的、自立的に個性や能力を発揮し、ウェルビーイング(身体的、精神的に一時的ではなく持続的に満たされた状態)がかなえられ、将来世代が希望を持てる国民生活と公正・公平、安全・安心で各々の多様性が尊重される包括的で持続可能な社会を目標に掲げている。
その目標達成のための「経済財政運営の目指すべき姿」については、官民連携で成長と分配の好循環を継続させ、分厚い中間層を形成するとともに、財政の健全性を維持することであり、「全世代型社会保障の目指すべき姿」としては、人口減少下であっても、公正・公平で持続可能な中福祉・中負担程度の社会保障制度の構築、分厚い中間層を形成し、多くの人々の希望をかなえ、少子化に歯止めをかけることなどが重要であると提言している。
また、税・財政・社会保障一体改革の全体像として企業、政府、国民がそれぞれの役割を果たし、相互に好影響を与えあうことで、投資牽引型経済を実現し、成長と分配の好循環を加速・拡大させることができるとも提言している。
特に起点となるのは、企業であり、成長志向へマインドセットを転換し、国内投資の拡大や構造的な賃金引上げに積極的に取り組むことが求められる。
政府においては、税・財政・社会保障一体改革の推進が必要であり、「社会保障国民会議」における議論を通じて、公正・公平で持続可能な税・社会保障を構築することが重要である。
国民には、財政や社会保障制度に関する正しい理解や現状認識により、一人ひとりの主体的な判断や行動で自らの健康の管理、維持・改善に努めることが求められるとそれぞれの役割内容を説明している。
また、高市政権下で設置された「社会保障国民会議」には、改革議論に向けた基礎的数値の公表や給付付き税額控除と消費税減税の検討、医療・介護の効果的な提供体制、医療・介護DXなどのテクノロジーの活用、予防医療と健康経営の推進、高齢者医療・介護の自己負担の見直しなど多岐にわたる課題について建設的な議論を重ねて、着実に前に進むべきであると提言している。
経団連は、税・財政・社会保障の政策的枠組みが大転換を迎える重要な時期と捉え、「成長と分配の好循環」の加速・拡大のため、今後も取り組みを進めていくとしている。
(参考)税・財政・社会保障一体改革に関する基本的考え方
https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/018.html

