中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」

資源エネルギー庁は、5月18日にホームページ上に「日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い?中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」」を公表し、中東情勢の悪化による原油価格高騰の現状と、それに対する政府の支援策を紹介している。
 
ホームページによると現在の中東情勢の緊迫化により、原油価格は世界的に高騰しており、3月上旬には、北米市場の代表的な指標原油であるWTI原油の価格が、一時1バレル120ドル近くに迫り、それに伴い国内のガソリン価格も一時急騰した。
 
原油の9割以上を中東地域から輸入している日本では、今回の中東情勢により、生活や経済活動に様々な影響が及ぶ恐れがあり、特に懸念されるのがガソリン価格を始めとする燃料油の価格高騰であるとしている。
 
ガソリンなどの燃料油は単に自動車の利用だけでなく、物流、農業、漁業、食品製造など幅広い分野に関係しており、価格高騰は食料品や日用品価格のさらなる値上げにつながるとして、政府は3月11日、燃料油(ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料)を対象にした「緊急的激変緩和措置」の実施を正式決定し、3月19日から支援がスタートした。
 
具体的な措置内容は、ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料に対し、例えばガソリンについては、全国平均小売価格が170円を超える見込みとなった場合に、170円を超える部分について燃料油の元売り業者(石油精製事業者、石油輸入者)に補助金を支給することで小売価格を引き下げることとし、軽油、重油、灯油も同額の補助、航空機燃料についてはガソリンの4割相当を補助することとなった。
 
結果、ガソリンの全国平均価格は3月16日時点の190.8円から、4月27日時点で169.7円まで低下し、軽油、灯油もそれぞれ160円程度、140円程度の水準となり、当初の目標水準に抑えられている。
 
また、欧米と比較しても日本のガソリン価格は低く抑えられているとして、国際比較についても紹介しており、4月27日時点の他国における一般的なガソリン価格を日本円に換算して、ドイツは396.7円、フランスは373円、英国は338.8円、産油国である米国は173.9円と、日本のガソリン価格は欧州に比べると半額程度、産油国の米国と同水準と、低い水準に抑えられていることが説明されている。
 
同時期に国家備蓄原油の放出もスタートしており、3月26日には需要の約1ヶ月分(約850万キロリットル)、さらに5月1日からは新たに約20日分の放出を始めている。
 
政府は、日本全体で必要となる量を確保し、緊急的激変緩和措置で燃料油の高騰を抑え、国民の命と暮らし、経済活動に支障が生じないように取り組んでいくとともに、中東情勢の悪化が長期化した場合には、支援の在り方を柔軟に検討するとの考え方を示している。
 
(参考)日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い?中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fuel_price_shien_2026.html