国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」(第4回)資料を公表

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国税庁は7月3日、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」(第4回)を開催し、資料を公表した。
 
国税庁が設置した「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」は、非上場株式の相続税や贈与税の評価ルールとなっている「財産評価基本通達」の適正化に向け、これまでの基礎的な議論を踏まえ、実務への影響や具体的な法的論点を掘り下げていく段階に入っている。
 
第4回会議資料は、国税庁や会計検査院が整理した「1.取引相場のない株式の評価を巡る主な論点」、「2.各委員からの御意見の整理・検討」、「3.当局として御意見いただきたい事項」の3項目により構成されている。
 
まず、「1.取引相場のない株式の評価を巡る主な論点」では、会計検査院は、異なる規模の評価会社間における相対的な不公平、還元率(10%)が社会経済状況の変化を反映していない可能性を論点としており、特に類似業種比準方式の計算式は株式を評価する方法として適切に機能していないおそれがあると指摘している。
 
一方、国税庁は、恣意的な会社規模の変化による評価額圧縮スキームが存在すること、評価通達6項の適用ではなく評価通達改正による納税者の予見可能性の確保の必要性を論点に挙げている。
 
次に「2.各委員からの御意見の整理・検討」では、テーマに沿って各委員からの意見がまとめられている。
 
「基本的・念頭に置くべき事項」では、「時価」の意義、評価方法の見直しと事業承継税制の恒久化・拡充を同時・一体を前提条件とすること、スキームへの対応、評価方法の検討に当たって会社法やM&Aの算定方法を参考とすることなどについて各委員から意見も出ている。
 
主な意見としては、相続税法第22条に規定する「時価」の定義の理解・整理が必要、事業承継税制のあり方(税負担の在り方)を見据えつつ、適正な評価を考えるべき、スキームに対処できるような方策を十分に講ずるべき、納税者の予見可能性を確保する観点からも、評価方法について見直しを行うべき、評価をする局面(相続・売買など)に応じた評価方式を考えて議論すべきなど適正な評価に向けての提案がされている。
 
「評価の基本的体系」では、評価方法に対する意見として、原則的評価方式の一本化、各評価方法(類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式)の個別の問題点や見直しするうえでの課題、特定の評価会社の判定等にかかる問題点などが挙げられている。
 
「3.当局として御意見いただきたい事項」では検討事項として、抜本的な評価方法の見直し、評価方法の一本化、今後の類似業種比準方式の在り方、純資産価額方式を評価方式としてどう考えるかなどが挙げられている。
 
そのほか、資料には財産評価基本通達の制定趣旨、裁判例、具体的なスキーム事例も紹介されており、最終結論を示す段階ではないものの、見直しに向けた議論が着実に進んできていると言える。
 
(参考)「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」(第4回)資料

https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260703/pdf/04shiryo_kabukaigi.pdf