国税庁、シェアリングエコノミー等への対応を強化

近年、ヒト・モノ・場所・乗り物・お金など、個人等が所有する活用可能な資産等をインターネット上のマッチングプラットフォームを介して提供する活動、いわゆるシェアリングエコノミーや暗号資産(仮想通貨)取引等が増加。加えて、ネットワーク上では、例えば、広告料収入のみで運営され消費者が無償で利用できる、動画や音楽等のコンテンツ配信、スマートフォンの各種アプリケーション等も普及してきている。

このような取引は、ネットワーク上で行われているものであり、(1)広域的・国際的な取引が比較的容易、(2)足が速い、(3)無店舗形態の取引やヒト・モノの移動を伴わない取引も存在するなど外観上、取引の実態が分かりにくい、(4)申告手続等に馴染みのない者も参入が容易、などといった特徴がある。こうした取引に対して、国税庁として的確に対応しなければ、適正な申告を行っていない納税者を見過ごすことになりかねない。

そこで国税庁は、シェアリングエコノミー等の新たな分野の経済活動にも的確に対応するため、2019年7月からは、既存の「電子商取引専門調査チーム」を始め、関係部署の指名された職員で構成されるプロジェクトチームを全ての国税局・沖縄事務所に設置し、全国200人規模の予定で、国税局・事務所間や関係部署間で緊密な連携・協調を図り、情報収集・分析等の取組みを強化していく。

また、大量で様々な情報を有効に活用していくため、こうした情報を一元的に管理し、マイナンバーや法人番号をキーとして資料情報の横断的な活用を目的としたシステムの整備にも取り組んでいる(2020年1月開始予定)。こうしたシステムも活用して各種の情報を組み合わせた情報分析の充実を図り、課税上問題があると見込まれる納税者を的確に把握し、適正課税の確保策(行政指導や調査の実施)へとつなげていく方針だ。

行政指導では、課税上問題があると見込まれる納税者のうち、自発的な適正申告の履行を促す観点から必要があると認められる納税者に対しては、お尋ね文書を送付するなどして、取引の有無やその内容について確認を行う。その上で、修正申告や期限後申告が必要と思われる納税者に対しては、自主的な申告内容の見直しや申告の必要性の確認を要請する。こうした行政指導を効果的・効率的に実施するため、担当部署の設置も検討していく。

そのほか、大口・悪質な申告漏れ等が見込まれる納税者に対しては、厳正な調査を実施していく。こうした調査において必要がある場合には、反面調査や租税条約等に基づく外国当局への情報提供要請を行い、的確に証拠収集事実認定を行う。また、調査でデジタル・データを取り扱う必要がある場面などにおいては、国税局及び税務署に配置された情報技術専門官も必要に応じて対応し、デジタル・フォレンジック(情報解析に伴う技術や手順等)などの手法・技術も活用しながら、的確な証拠の保全に努めていくという。

この件については↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/sharingueconomy_taio/pdf/01.pdf