投資促進税制の対象からコインランドリー業を除外

中小企業投資促進税制は、中小企業における生産性向上等を図るため、一定の設備投資を行った場合に、税額控除(7%:資本金3000万円以下の中小企業者等に限る)又は特別償却(30%)の適用を認めるもの。2023年度税制改正においては、対象資産の見直しを行った上で、物価高・新型コロナ禍等のなか、設備投資に取り組む中小企業を支援するため、適用期限が2年間延長された。

見直しは、(1)対象資産から、コインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供する機械装置でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除外、(2)対象資産について、総トン数500トン以上の船舶にあっては、環境への負荷の低減に資する設備の設置状況等を国土交通大臣に届け出た船舶に限定するというもの。コインランドリー業の除外の背景には、“コインランドリー投資節税”なる情報が広く出回っていることがある。

また、中小企業経営強化税制についても、関係法令の改正を前提に特定経営力向上設備等の対象からコインランドリー業又は暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除外した上、その適用期限が2年延長されている(所得税についても同様)。同税制は、特別償却(即時償却)または取得価額の7%相当額(特定中小企業者等は10%)の税額控除を認める。

こちらも、コインランドリー投資節税封じが狙いにある。同節税とは、「コインランドリー投資は、初期費用を即時償却することで大きな損金を出すことができ、大きな節税効果が得られる」として、「即時償却であれば、設備の費用の全額を、設備を取得した年度の経費として計上することができ、税額控除であれば、取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)を税額の対象から控除できる」と謳って、投資を勧めるもの。

あるサイトでは、「大きな利益が出てしまった場合、特に数千万円レベルでの黒字だと、そのままだと税金の金額が大変なことになってしまう。そこで、1500万円以上の節税効果を生み出すことが可能なものとしてコインランドリー経営がある。コインランドリーなので、不動産投資と原理は同じ。投資先がコインランドリーになっただけであり、このときはお金を出すことで節税し、後で収益を得る仕組みになっている」とPRしている。