中小企業の働き方改革に関する調査

日本商工会議所ならびに東京商工会議所は5月25日、「中小企業の働き方改革に関する調査」の集計結果を公表した。本調査は、2019年に施行された「働き方改革関連法」について、施行後5年の見直しに向けた検討が行われていることを踏まえ、中小企業における時間外労働の上限規制への対応状況や課題等の実態を把握することを目的として、本年4月から5月にかけて全国47都道府県の会員企業1,724社を対象に実施されたもので、調査結果の概要は以下のとおりである。
 
1 時間外労働上限規制の事業運営への影響について 
正社員1人当たりの月間の平均的な時間外労働時間について、「20時間未満」と回答した企業は約8割(81.0%)であり、従業員全体を平均すると、時間外労働の上限規制の範囲内で対応できている企業が多数となっている。
過去1年間で、1か月当たりの時間外労働が最も多かった正社員の時間外労働時間は、「単月45時間以上」と回答した企業が3割近く(25.9%)、1か月の時間外労働が45時間超の回数が「5回以上」の従業員がいると回答した企業は約1割(11.7%)となっている。
時間外労働上限規制によって「事業運営に制約が生じている」企業は、全体で約2割(19.1%)となっており、運輸業(35.7%)、建設業(28.7%)、宿泊・飲食業(24.5%)で特に影響が大きい。
「事業運営に制約が生じている」企業のうち、「売上が減少」した企業が4割超(43.2%)、「管理職やリーダー層の業務の負担増加、偏在」を訴える企業は6割超(63.2%)に上っている。天候、納期対応等の取引先からの要請など、他律的な要因による業務負担を訴える声は多く、専門・特定業務を行う人材の代替が困難な中小企業では、こうした事態を特定の人材が対応せざるをえず、その結果、上限規制への対応が困難となり、事業運営に支障が生じている。
 
2 時間外労働の上限規制への対応等について 
「収入の維持・向上」、「担当業務の完遂や責任」、「スキル習得・経験蓄積」等の理由から、より長く働きたいと希望(もしくは承知)している正社員が、自社に「1割以上いる」と回答した企業が4割超(43.9%)となっており、時間外労働の上限規制への対応や生産性向上に向けて、「変形労働時間制をはじめとする繁閑や予期せぬ業務に対応できる柔軟な労働時間制度の実現」を求める企業は約7割(72.6%)に上っている。
健康確保と労使合意を大前提とした、時間外労働上限規制の一部例外措置、変形労働時間制の要件見直しなど、より柔軟な働き方を可能とする制度の実現が必要であるとしている。
 
(参考)「中小企業の働き方改革に関する調査」

https://www.jcci.or.jp/news/research/2026/0525110015.html