2026-06-09
経済産業省は、4月30日、「企業価値を高める標準化・ルール形成 -投資家と経営層の新たな視点-」(以下「本資料」という)を作成・公表した。
近年、世界的に規制・標準の再編が加速し、標準化・ルール形成が市場創出の手段の一つとなっており、他国が主導する中、日本企業には“技術で勝ってビジネスで負ける”状況を解消する必要性が高まっているが、標準化・ルール形成の重要性が指摘されつつも、それが企業価値や投資判断とどのように結びつくのかについて、必ずしも十分に整理・共有されていなかった。
本資料は、標準化・ルール形成について企業の経営戦略における位置づけを向上させ、企業経営層や投資家がその重要性を理解し、一歩踏み出す契機とすることを目的として作成されており、標準化・ルール形成とは何か、標準化・ルール形成の重要性、標準化・ルール形成活用方法と標準化取り組み事例が紹介されている。
標準化・ルール形成とは、他社が従わざるを得ない・または従った方が得をするルール(規制、規範、規格、その他基準等)を開発し、普及させることをいい、法律ではなく任意のものであるが、市場では「参入の前提条件」になりうるもので、標準づくりは市場ルールづくりそのものととらえることができる。
標準・ルールを軽視すると、標準・ルールが市場参入の必須条件となっている場合、競合との競争での敗北や市場からの排除等により、「何もしないことによるコスト」が発生するようになり、また、参入時期が遅くなった場合も後追いで再設計・再評価・再認証が必要になり、時間・費用が膨張することになる。
企業経営層にとっては、標準化・ルール形成を実現することで「標準化と事業を連動させる仕組み」を作り上げる事業の実現性や「うまくいくための仕組み」を他地域で再現する再現性、「横にも縦にも伸ばせる仕組みを」を作り上げる事業の拡張性を高め、事業や企業価値の向上を期待することができるようになる。
再現性により、実現した標準化・ルール形成を他の地域に展開することで、その地域でも元の地域と同品質の製品・サービス等を提供することが可能となり、事業拡大につなげることができる。また、事業の構成要素の一部を他社へ公開したり、別の要素に置き換えたりする事業の拡張性を図ることで新市場やエコシステムの双方向に事業を広げることができるようになる。
投資家に対しては、標準化・ルール形成を行うことで、「戦略的競争ルールの設計と市場支配」、「事業戦略との一体化とコスト優位性の確立」、「持続的な企業価値向上への貢献と開示」等を説明することができるようになる。
本資料では、標準化・ルール形成活用の進め方や参考になる標準化取り組み事例も紹介されているため、参考にするとよい。
(参考)「企業価値を高める標準化・ルール形成 ―投資家と経営層の新たな視点―」を公表しました
https://www.meti.go.jp/press/2026/04/20260430001/20260430001.html

