2025-06-03
総務省は5月13日、利用者のICTリテラシーに関する認識や偽・誤情報の拡散傾向の実態把握を目的に「ICTリテラシー実態調査」を実施し、その概要を公表した。
この調査は、ICTリテラシー向上に資する取組の更なる推進のため、利用者のICTリテラシーに関する認識や偽・誤情報の拡散傾向等、ICTリテラシーに係る実態を把握することを目的として行われたもので、全国47都道府県15歳以上男女2,820サンプルに全国インターネット定量調査で2025年3月31日〜2025年4月2日に実施されたものである。
なお、ICTリテラシーとは「情報通信サービス等を適切に活用するための能力」として調査が行われた。
調査項目は、大きく「ICTリテラシーに関する認識の実態把握等」と「偽・誤情報の拡散に関する認識の実態把握等」とされており、「ICTリテラシーに関する認識の実態把握等」では、ICTリテラシーに関する認識、ICTリテラシーに関する認識の回答理由、ICTリテラシー向上のための取組の必要性、ICTリテラシー向上のための具体的な取組、ICTリテラシー向上のための取組理由、「偽・誤情報の拡散に関する認識の実態把握等」では、偽・誤情報の拡散経験、拡散時の偽・誤情報に対する認識、偽・誤情報の拡散理由、偽・誤情報の拡散手段/拡散した情報のジャンル、SNS・ネットの情報に対する正誤判断の基準、拡散した情報が偽・誤情報だと気付いた経緯とされていた。
調査結果のポイントは、下記の通りである。
1. 偽・誤情報の認識・ 拡散状況
・過去に流通した偽・誤情報を見聞きした人に対して、その内容の真偽をどのように考えるか尋ねたところ、「正しい情報だと思う」、「おそらく正しい情報だと思う」と回答した人の割合は47.7%。
・偽・誤情報に接触した人のうち、25.5%の人が何らかの形で拡散した。若い年代において拡散した割合が多かった。
2. 偽・誤情報の拡散理由と手段
・拡散した理由として最も多いのは、「情報が驚きの内容だったため」(27.1%)。
情報に価値があると感じて拡散したと思われる回答が多かった。
・拡散した手段として多いのは、「家族や友人など周囲の人へ対面の会話」(58.7%)、
「家族や友人など周囲の人へメールやメッセージアプリ」(44.3%)など、身近な人に拡散する回答が多かった。
不特定多数にインターネットを用いて拡散する者も存在した(44.4%)。
3. SNS・ネット情報に対する正誤判断の基準など
・SNS・ネット情報を「正しい」と判断する基準として最も多いのは、「公的機関が発信元・情報源(41.1%)。
・偽・誤情報と気づいた経緯は、「テレビ・新聞(ネット版含む)」(39.6%)、「テレビ・新聞以外のマスメディア(ネット版含む)」(30.4%)、「ネットニュース」(28.8%)というネット版を含めたテレビ・新聞、ラジオ・雑誌などから偽•誤情報の可能性があると気づいた人が多かった。
4. ICTリテラシー に関する認識
・「自身のICTリテラシーが高いと思う」という回答は35.2%に留まった一方、「ICTリテラシーが重要だと思う」、「どちらかといえば重要だと思う」との回答が87.8%と高い割合を示した。
・87.8%がICTリテラシーを重要だと回答した一方、75.3%は「ICTリテラシー向上に向けた具体的な取組をほとんど行ってない」、「全く行ってない」と回答した。
(参考)ICTリテラシーに係る実態調査の結果公表及びテレビ・WebCMの放映開始
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu05_02000176.html