金融庁「2026年 保険モニタリングレポート」を公表

金融庁は8月6日、「2026年 保険モニタリングレポート」をホームページ上で公表した。
 
これは、保険事業の環境が急速に変化する中、保険業界の現状分析、保険行政の実績評価を行い、これらを踏まえた上での対応策の立案など、保険行政の推進及び関連情報の提供を目的として2021年度から公表しているレポートである。
 
レポートでは保険会社の社会的な役割として国民生活の安定や国民経済の発展に不可欠な保障・補償機能を適切かつ安定的に提供することや多額の資産を運用する機関投資家として活力ある資本市場を実現し、安定的な資産形成に貢献することを挙げている。
 
現在、保険会社は少子高齢化や自然災害の頻発・激甚化、自動車保険市場の縮小といった事業環境の変化に対し、持続可能なビジネスモデルを構築することが求められている。
 
また、その実現のためには保険会社自身が適切なガバナンス機能を発揮し、財務の健全性を確保するための自己資本・リスク管理を行うことが必要であり、商品開発・引受・募集・支払などの場面で顧客本位の業務運営が強く求められるとしている。
 
レポートでは、保険会社の現状と諸課題について
 ・ 保険ビジネスを巡る動向
 ・ 財務・リスク管理
 ・ 顧客本位の業務運営
 ・ 保険業界の信頼の回復と健全な発展に向けた対応
の4項目でまとめている。
 
「保険ビジネスを巡る動向」では、生命保険会社は保険代理店への過度な便宜供与の防止に向けた取組が重要としており、損害保険会社はグローバルスタンダードを踏まえたアンダーライティングの強化が求められているとしている。
 
「財務・リスク管理」では、保険会社は財務基盤における健全性やリスク管理の高度化が重要であり、経済価値ベースのソルベンシー規制(※)への対応、財務健全性やリスク管理態勢に係るモニタリングを継続することで健全性を確保するとしている。
 
また、近年のサイバーリスクの高まりを受け、サードパーティを含めたサイバーセキュリティ対策が経営上の重要課題としている。
 
「顧客本位の業務運営」では、生命保険のチャネルは多様化しているものの、営業職員による対面販売は中核的な役割を担っているとして、営業職員管理態勢全般の充実や保険代理店による保険募集態勢の高度化を図ることが重要としている。
 
「保険業界の信頼の回復と健全な発展に向けた対応」では、損害保険業界における保険金不正請求事案、保険料調整行為事案や情報漏えい事案、生命保険会社の営業社員等による不適切な金銭の取扱い事案、生命保険会社の出向者による情報持ち出し事案などの発生を受け、業界全体で信頼回復のため、業務改善を進めていくことが求められるとしている。
 
金融庁では、経済産業省と連携し、企業がリスクを適切に管理しつつ、成長に向けた投資を推進できるよう、2025年12月より、「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」の開催や保険代理店や生命保険業界において発生した不適切事案への個別対応を行っている。
 
今後もこのような取組を継続的に実施し、保険行政の一層の高度化を図るとともに保険業界が社会的役割を適切に果たすための指導を行うこととしている。
 
(※)保険会社が保険金等の支払いを確実に行うための、財務健全性を維持する監督上の資本規制のこと
 
(参考)「2026年 保険モニタリングレポート」の公表について

https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260806/20260806.html