国税庁「令和7年度査察の概要」を公表

国税庁は6月25日、「令和7年度査察の概要」を公表した。
 
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、 適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としており、経済取引の複雑化、広域化、グローバル化、デジタル化の進展など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、幅広い業種業態の悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施している。
 
令和7年度については、82件を検察庁に告発し、告発した査察事案に係る脱税総額は84億円であり、1件当たりの脱税額は102百万円で告発率は64.6%となっている。
 
税目別では、法人税が44件で最も多く、次いで消費税23件、所得税13件、相続税2件となっている。
 
業種別では、建設業が18件で最も多く、次いで卸売業6件、不動産業と運送業がそれぞれ4件となっている。
 
令和7年度においては、査察制度の目的に鑑み、ソーシャルメディアで事業活動を行う事業者など幅広い業種業態の事案のほか、海外取引を利用した不正行為や海外に不正資金を隠していた事案など巧妙な不正手段の事案、国庫金の詐取ともいえる消費税の不正受還付事案など悪質性の高い事案を告発している。
 
また、引き続き、消費税事案、無申告事案、国際事案をはじめとして、社会的波及効果が高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組んでいる。
 
消費税事案については23件を告発、うち不正受還付事案の告発件数は12件、不正受還付額は73百万円となっている。
 
無申告事案については12件を告発、うち8件については、不正行為を伴わず、故意に申告書を提出しないで税を免れる単純無申告ほ脱犯となっている。
 
国際事案については17件を告発している。
 
査察事件の一審判決の状況について、令和7年度中の一審判決は80件であり、全てに有罪判決が言い渡されている。そのうち6人に実刑判決が出され、実刑判決のうち最も重いものは、査察事件単独では、複数の納税者に脱税スキームを利用させていた脱税指南グループの首謀者に対する懲役6年、他の犯罪と併合されたもので懲役4年となっている。
 
(参考)「令和7度査察の概要」

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2026/sasatsu/r07_sasatsu.pdf