2025-08-08
令和4年度税制改正で住宅ローン控除の適用に係る手続について、これまでの年末残高証明書を用いる「証明書方式」から、年末残高調書を用いる「調書方式」とする改正が行われた。
ここで、「証明書方式」とは住宅ローン控除の適用を受ける納税者が、住宅ローン債権者である金融機関等から交付を受けた年末残高証明書を、確定申告または年末調整の際に、税務署または勤務先に提出する方式を言い、「調書方式」とは、住宅ローン債権者が税務署に「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等調書」を提出し、国税当局から納税者に住宅ローンの「年末残高情報」を提供する方式を言います。
「調書方式」により手続を行うためには、マイナポータル連携を利用することになるため、事前の準備が必要となる。
国税庁では、「住宅ローン控除の確定申告には事前準備が必要です!」と記載したチラシをホームページ上に公表している。
このチラシには、「『調書方式』に対応した金融機関から借入れをした場合、住宅ローン控除の申告には事前準備が必要と聞きました。いつまでに何を行えばよいですか」という問いに対し、「居住を開始した年内に『e-Tax からの情報取得希望』を行ってください」との回答が書かれ、その下にマイナポータルアプリからログインを行い、「e-Tax からの情報取得希望」を完了させるまでの流れが掲載されている。
「e-Tax からの情報取得希望」を行うと、2月中旬にe-Taxのメッセージボックスへ年末残高情報が格納されるので、その流れも示されている。
居住を開始した年内に事前準備を行えば、年末残高情報は2月中旬(2/10~2/13 の間)にメッセージボックスへ格納されることになるが、事前準備が年明け後になってしまうと、それより後日の格納となるため、チラシに「事前準備は年内に!」と記載して、早めの対応を呼び掛けている。
住宅ローン控除の適用に係る手続は「調書方式」となっているが、「年末残高調書」を提出する債権者が、この改正に対応するためのシステム改修等への対応が困難な場合には、引き続き、「証明書方式」とすることができる経過措置が設けられている(この経過措置については特段の手続を行うことなく、全ての債権者に適用されるものとされている)。
借入先の金融機関が「調書方式」に対応済かどうかは、国税庁ホームページの「年末残高調書を用いた方式(調書方式)に対応した金融機関の一覧」及び「対応を開始する年」で確認することができる。
「調書方式」により手続を行うためには、e-Taxの利用者識別番号が必要となるため、手続を行う前に利用者識別番号を取得しておくことが必要となる。
(参考)住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/index.htm
(参考)年末残高調書を用いた方式(調書方式)に対応した金融機関の一覧
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/ichiran.htm