2025年度中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査

日本商工会議所ならびに東京商工会議所は7月17日、「2025年度中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」の結果を公表した。
 
本調査は、中小企業の脱炭素への取組状況・課題、政府などへ期待する支援内容等の現状を把握し、今後の要望及び支援活動に活かすことを目的として、昨年度に続き本年4月から5月にかけて全国47都道府県の会員企業1,828社を対象に実施されたもので、調査結果の概要は以下のとおりである。
 
1 エネルギー価格の経営への影響と対応状況
昨今のエネルギー価格について、約9割(85.2%)の企業が「経営に影響あり」と回答しており、依然として経営への影響は大きく、「影響は深刻で、今後の事業継続に不安」とする企業も約1割(7.9%)となっている。
エネルギー価格上昇に対する取り組み(1年以内)は、「自社製品・サービスの値上げ(エネルギー価格上昇分の価格転嫁)」が約3割(34.2%)で最も多く、「運用改善による省エネの推進」(27.7%)、「省エネ型設備への更新・新規導入」(25.1%)など、省エネに取り組む企業も約3割となっている。
 
2 脱炭素に対する取り組み状況と課題
約7割(68.9%)の企業が脱炭素に関する取り組みを実施しており、「省エネ型設備への更新・新規導入」(35.7%)や「運用改善による省エネの推進」(34.5%)など、省エネに関する取り組みが多く、「エネルギーの使用量・温室効果ガス排出量の把握・測定」に取り組んでいる企業も約4社に1社(26.0%)となっている。
約2割(21.3%)の企業が取引先から脱炭素に関する要請を受けており、そのうち、取引先から支援(技術、資金など)を受けている企業は約3割(25.9%)にとどまり、脱炭素に取り組む上でのハードルについては、約6割(64.5%)が「費用・コスト面の負担が大きい」と回答している。
 
3 政府や商工会議所に期待する脱炭素支援
政府や自治体に期待する支援内容は、「省エネ設備、再エネ導入等に対する資金面での支援」が約7割(72.8%)と最も多く、商工会議所に期待する支援内容は、「セミナー等による情報提供」(49.6%)、「国・自治体の支援策の紹介」(44.1%)など情報提供を求める声が多くなっている。
 
(参考)「2025年度中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」

https://www.jcci.or.jp/news/research/2025/0717144855.html