2025-08-04
個人情報保護委員会は、6月25日「学校における個人情報の漏えい等事案を踏まえた個人情報の取扱いに関する留意点について(注意喚起)」を公表した。
学校においては、その業務の性質上、児童や生徒などの個人情報が日常的かつ頻繁に取リ扱われ、個人情報の漏えい等が発生しやすい環境にある。
個人情報保護委員会は、学校における個人情報の漏えい等事案について、令和5年4月〜令和7年4月までの約2年度分の漏えい等報告の発生原因等を分析した上で、教育委員会等の学校設置者や教職員に向けて、個人情報の漏えい等の防止のための留意点、事案例、発生原因、再発防止策例等をとりまとめ、公表した。
税務会計業務では、所得税、資産税等学校同様に取り扱われる個人情報の項目も多く、障害情報や病歴等の要配慮個人情報を含むプライバシー性の高い個人情報を数多く利用しており、また、租税教育等学校現場と関係する公益業務も行っているため、別紙で記載されている「学校現場において発生しやすい個人情報の漏えい等事案に関する原因と再発防止策」は参考になる。
令和5年4月から令和7年4月まで、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の現場において発生した漏えい等事案について、個人情報保護委員会が、教育委員会や私立学校等から受領した漏えい等報告(約450件)を基に、発生原因別の割合等を分析した結果からは、紛失による漏えい等事案が一番多くなっている(全体の44%)が、情報共有ツール等デジタルツールの使用に伴う操作ミスも一定の割合(全体の18%)で生じている点から、最近の学校におけるICT活用の浸透がうかがうことができ、本人数別の発生割合をグラフ化した結果からは、誤交付事案等、本人数が10人未満のものも多いが、情報共有ツールの誤設定による事案や紛失事案等で本人数が100人以上になっている事案も多くなっていることがわかった。
学校現場において生じやすい漏えい等事案については、1.紛失(紙媒体)、2.紛失(電子媒体)、3.誤交付、4.誤送信・誤配信、5.情報共有ツールのアクセス制限ミス・データの保存ミス、6.PC使用時のサポート詐欺、7.置き忘れ、8.誤廃棄、9.サイバー攻撃等による不正アクセス事案、10.不正の目的による漏えい等事案について【事案例】、【発生原因】、【再発防止策例】が示されており、税務会計業務でも発生する可能性のある事案が記載されているため、参考にするとよい。
(参考)学校における個人情報の漏えい等事案を踏まえた個人情報の取扱いに関する留意点について(令和7年6月25日)