2025-06-09
国税庁はこのほど、令和5年度分会社標本調査結果について発表した。
この調査は、日本の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正や税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的としたものである。
今回の結果は、令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に終了した各事業年度について、令和6年7月31日までに申告のあった事績を対象として、令和6年8月末現在で取りまとめたもので、同調査におけるサンプルは約231万社(母集団サイズ約296万社)となっている。
同調査によると、法人数全体は295万6,717社で、前年度より4万6,870社増加(前年度比1.6%増)し、平成24年度以降11年連続の増加となった。
法人数全体のうち、利益計上法人は115万3,514社(前年度比1.9%増)で3年連続増加し、過去最大となり、欠損法人は180万3,203社(前年度比1.5%増)で、こちらも4年連続の増加となった。
全法人に占める欠損法人の割合は前年度より0.1ポイント減少の61.0%だった。
営業収入金額は前年度より37兆8,971億円増加の1,760兆1,788億円。3年連続の増加で、過去最高となった。所得金額は前年度より11兆7,337億円増加の91兆7,696億円で4年連続増加し、こちらも過去最高となった。
所得金額の増加額・増加率を業種別にみると、前年度と比べて増加額が最も大きいのは、「機械工業」(7,024億円)、次いで「小売業」(6,973億円)、「建設業」(6,311億円)となっており、増加率が最も高いのは「食料品製造業」(30.1%)、次いで「農林水産業」(18.8%)、「出版印刷業」(18.2%)となっている。
一方、所得金額が減少したのは「運輸通信公益事業」(▲4,329億円)、「鉱業」(3,441億円)、「化学工業」(▲523億円)、「繊維工業」(▲230億円)「料理飲食旅館業」(▲92億円)の5業種。減少率が最も高いのは「鉱業」(▲52.1%)、次いで「繊維工業」(▲18.9%)、「運輸通信公益事業」(▲10.5%)となっている。
法人税額は16兆3,976億円で、前年度より2兆1,533億円増加(+15.1%)。所得税額控除は前年度より8,745億円減少の3兆8,819億円(▲18.4%)。外国税額控除は3,852億円増加の1兆2,047億円(+47.0%)だった。繰越欠損金の当期控除額は、前年度より1兆6,297億円増加の10兆9,697億円で、翌期繰越額は1兆9,988億円増加の77兆5,219億円で、ともに増加した。
交際費等の支出額は、前年度より6,020億円増加の4兆1,841億円。また、寄附金の支出額は、前年度より3,433億円増加の1兆3,702億円。交際費等は2年連続、寄付金の支出額は4年連続で増加した。
(参考)令和5年度分 会社標本調査結果について
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/kaishahyohon2023.pdf