2025-06-05
政府税制調査会は5月13日、第2回経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合を開催した。今回の会合では、「デジタルガバメントの国際比較と経済社会のデジタル化の進展」をテーマとした外部有識者からのヒアリング(早稲田大学電子政府・自治体研究所 岩﨑尚子教授)が行われ、議題については以下の2点となっている。
財務省の説明資料において、1点目「OECD税務行政3.0が目指す世界と日本の現状」では、「OECD税務行政3.0」及び「デジタルデータによるシームレスな処理に資するための電子取引データの保存制度の見直し(令和7年度税制改正)」の概要に続き、デジタル社会にふさわしい仕組みとしてのデジタルシームレスの構築について、将来像に向けて、税制において現状の制約を前提としつつも望ましいデジタル化の姿を明確にすることで、税務当局をはじめ関係機関・団体が連携して取り組んでいくことが考えられるとして、「現状と短期的な検討」、「中期的な取組・検討」、「将来像」を挙げている。
次に「国境を越えたEC取引に係る適正な課税に向けた課題」では、近年、EC(※)需要が大きく伸び、その後も堅調に市場規模が拡大しており、我が国でもBtoC-EC市場の拡大が続き、国境を越えたEC取引を利用した国外事業者からの個人輸入による購入も急増し、消費税等が免除される少額貨物が増加している現状が説明されている。課題として、「国外事業者が、プラットフォーム事業者(PF)が管理する国内倉庫に一旦納めた商品を、ECサイトを通じて販売する場合(フルフィルメントサービス)」と「少額輸入貨物の免税制度」が指摘されている。
これらを踏まえ、国税庁及び財務省関税局の説明資料では、具体的な内容として以下の内容について説明されている。
〇国税庁「国外事業者に対する執行上の課題」
執行上の課題として、以下の4点が挙げられている。
1 納税義務者(国外事業者)の把握に当たっての課題
2-1 調査等の実施に当たっての課題・接触の困難性
2-2 調査等の実施に当たっての課題・証拠資料収集の困難性
3 徴収に当たっての課題
〇財務省関税局「少額輸入貨物に係る現状と税関の対応」
1 少額輸入貨物に係る現状と税関の対応
2 これまでの制度的対応(令和5年度関税改正)
3 輸入通関時における実務上の課題
※Electronic Commerce:電子商取引
(参考)「第2回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」