2025-05-20
2021年10月にOECD/G20の「BEPS包摂的枠組み」において合意されたグローバル・ミニマム課税へ対応するため、令和5年度税制改正により、グローバル・ミニマム課税の3つのルールのうち、所得合算ルール(IIR)に係る法制化として、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の創設等が行われ、国税庁では令和5年4月に「グローバル・ミニマム課税への対応に関する改正のあらまし」を公表した。
令和7年度税制改正においては、他のルールである軽課税所得ルール(UTPR)及び国内ミニマム課税(QDMTT)に係る法制化として、各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税及び各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の創設等が行われ、また、グローバル・ミニマム課税の導入に伴い、対象企業に追加的な事務負担が生じること等を踏まえた外国子会社合算税制等の見直しのほか、所要の見直しが行われた。
今回、同庁ではこれらの改正を踏まえ、「グローバル・ミニマム課税への対応に関する改正のあらまし(2)」を公表した。改正のポイントは以下のとおりである。
1 各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の創設
軽課税所得ルールは、所得合算ルールによる課税を補完する機能を持つものといえ、軽課税所得ルールに係る法制化として創設。
2 各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の創設
国内ミニマム課税は、所得合算ルールや軽課税所得ルールによる他国からの課税を防止する機能を持つものといえ、国内ミニマム課税に係る法制化として創設。
3 各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の見直し等
令和6年度税制改正に引き続き、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税について見直しが行われたほか、上記1及び2の創設に伴い、特定基準法人税額に対する地方法人税について見直し。
4 情報申告制度の見直し等
上記1及び2の創設に伴い、令和5年度税制改正において創設された情報申告制度(特定多国籍企業グループ等報告事項等の提供制度)の見直し。
5 外国子会社合算税制等の見直し
グローバル・ミニマム課税の導入に伴い、対象企業に追加的な事務負担が生じること等を踏まえ、内国法人の外国関係会社に係る所得の課税の特例(いわゆる「外国子会社合算税制」)等について見直し。
(参考)グローバル・ミニマム課税の概要等