防衛特別法人税確定申告書等の書式が明らかに

令和7年度税制改正法において創設された「防衛特別法人税」について、申告書様式が令和7年4月14日付の官報(号外第84号)にて公表された(財務省令第46号)。
 
防衛特別法人税は、防衛力の抜本的強化に向けた安定的な財源を確保するために導入される付加税であり、令和8年4月1日以後に開始する各事業年度から適用される予定である。
 
納税義務者は、法人税の課税対象となるすべての法人(人格のない社団等および法人課税信託の引受けを行う個人を含む)である。
 
税額の算出にあたっては、まず各事業年度の「基準法人税額」から基礎控除額500万円を控除した「課税標準法人税額」を算定し、これに4%を乗じた額が防衛特別法人税として課税される。
 
「基準法人税額」とは、以下の控除等を適用せずに計算された法人税額を指す。
・所得税額の控除
・外国税額の控除
・分配時調整外国税相当額の控除
・仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除
・戦略分野国内生産促進税制のうち特定産業競争力基盤強化商品に係る措置の税額控除及び同措置に係る通算法人の仮装経理に基づく過大申告の場合等の法人税額の加算
・控除対象所得税等相当額の控除
 
一方、防衛特別法人税に対しては、外国税額、分配時調整外国税額、控除対象所得税額等相当額、仮装経理等に基づく過大申告の場合の更正に伴う防衛特別法人税額の控除の適用が可能とされている。
 
例えば、法人税額が1,500万円の企業であれば、500万円の基礎控除を差し引いた1,000万円に対して4%を乗じた40万円が防衛法人特別税として課税され、法人税額が500万円以下の場合は、控除の範囲内となるため課税されないこととなる。
 
この税は「当分の間」課税されるとされており、終了時期の明示はない。過去に東日本大震災後に復興財源として導入された復興特別法人税(時限措置3年)とは異なり、防衛費の継続的増加を背景に長期的な制度運用が想定される。
 
財務省の試算によれば、初年度となる令和8年度には約5,280億円、令和9年度には約8,210億円の税収が見込まれている。
 
(参考)官報(号外)

https://www.kanpo.go.jp/20250414/20250414g00084/20250414g00084full00010064f.html

 

(参考)令和7年度税制改正の大綱(六 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置)

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/07taikou_06.htm