集中電話催告システムを2019年末にシステム統合

財務省が先日公表した財務省行政事業レビュー(公開プロセス)によると、2019年12月に国税庁の「集中電話催告システム」のシステム統合をすることが明らかになった。2016年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高は9774億円となり、1999年度以降17年連続で減少し、29年ぶりに1兆円を割っている。こうした滞納整理の一端を担っているのが集中電話催告システムを用いての集中電話催告センター室での電話催告である。

集中電話催告システムは、徴収システムから各国税局の集中電話催告センター室の集中電話催告システム専用端末に送られてくる滞納者情報をもとに、自動で滞納者に電話をかけ、滞納者が応答した場合には、オペレーターが滞納者情報を見ながら電話催告を行うことができる仕組み。少額滞納者を対象に2002年度に東京・大阪の両国税局に初めて導入され、2004年までには残りの10国税局(所)に設置が完了し、稼働させている。

現状は、国税庁事務管理センターの徴収システムと催告システムのサーバ間でデータ連絡をした滞納者情報を、国税庁ネットワークにより集中電話催告センター室のサーバに送信している。また、税務署と集中電話催告センター室間ではメール・FAXによって連絡している。しかし、徴収システムと催告システムは別々に構築されているためデータ連携にタイムラグがある。この徴収システムと催告システムを統合する。

統合により、事務管理センターのサーバと集中電話催告センター室のサーバ・専用端末が削減され、運用経費(機器の借料等)が年間で約3.6億円削減される見込み。また、徴収システムと催告システム間の日次処理による夜間データ連絡が廃止され、リアルタイムな情報連携が可能となるため、税務署と集中電話催告センター室間のメール・FAXによる連絡が不要となるなど、事務量が年間約10万時間削減される見込みという。

なお、行政事業レビューは、各省庁の事業を各省庁自身が点検するもので、事業の執行状況や資金の流れを統一した様式にして公表する「レビューシート」や、各省庁が実施した事業の自己点検のうち、外部の視点を活用して公開の場で行う「公開プロセス」がある。公開プロセスの模様はインターネット生中継で公開する。6月1日には、国税庁の事業のうち広報活動経費と集中電話催告システムが、公開プロセスとして実施されている。

この件については↓
http://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/review/2017kopuro_happyo.html