書店活性化プランと支援施策活用ガイド

経済産業省は、7月8日、「関係者から指摘された書店活性化のための課題」を踏まえ、政府が取り組む施策を「書店活性化プラン」として公表し、2024年10月に公表した中小企業庁の支援策などを整理した「書店経営者向け支援施策活用ガイド」を更新した。
 
「書店活性化プラン」では、1.街の書店の現状を分析した上で、2.書店活性化プランとして5つの課題(Ⅰ.読書人口の減少や書店の魅力向上に関する課題、Ⅱ.地域における書店と図書館・自治体との連携の在り方、Ⅲ.業界慣行における課題、Ⅳ.経営における効率化・省力化に関する課題、Ⅴ.新規開店やキャッシュレス決済に関する課題)を整理し、課題に対応した支援策を提示している。
 
具体的な街の書店の現状と課題への対応・支援策は下記のとおりである。
 
1.街の書店の現状として、
書店の経営を支えてきた雑誌の販売不振を主な原因とした書店数の減少、新規開店数の減少や全国の約28%の自治体に書店が存在しないこと、高校生の不読率の高まり(約 2 人に 1 人(48%)は 1 か月に 1 冊も本を読まない)や全国的な読書離れ(約6割が「1 か月に 1 冊も本を読まない」と回答)が書店の現状として挙げられている。
 
2.書店活性化プランとして
Ⅰ.読書人口の減少や書店の魅力向上に関する課題については、
①書店の販路開拓に向けた支援(中小企業庁)、②読書推進人材への支援(文部科学省)、③活字文化の振興(文化庁)、④魅力的な活字文化コンテンツの創出(文化庁)、⑤日本の活字文化の海外展開支援(文化庁)、⑥文学館など文化施設における先進的な取組への支援(文化庁)、⑦書店のリノベーション支援(国土交通省)を、それぞれ実施する。
 
Ⅱ.地域における書店と図書館・自治体との連携の在り方については、
①読書環境整備に向けた関係機関による連携協働モデルの構築・普及(文部科学省)、②書店と図書館における連携の推進(文部科学省)を、それぞれ実施する。
 
Ⅲ.業界慣行における課題については、
①返品抑制に向けた業界を巻き込んだ研究会の開催(経済産業省)、②再販売価格維持契約下でのコスト上昇への対応についての業界団体への説明(公正取引委員会)、③著作物の再販売価格維持制度の弾力的運用の推進(公正取引委員会)を、それぞれ実施する。
 
Ⅳ.経営における効率化・省力化に関する課題については、
①書店へのRFID機器の導入支援(経済産業省・中小企業庁)、②IT導入補助金等を活用した書店のDX支援(中小企業庁)、③付録付き雑誌のセット組み作業の負担緩和を出版社等に求めることに関する独占禁止法上の留意点についての相談対応(公正取引委員会)を、それぞれ実施する。
 
Ⅴ.新規開店やキャッシュレス決済に関する課題については、
①書店を活用した地方創生の取組への支援(内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局)、②書店経営者のチャレンジ支援、支援施策活用ガイドの周知(経済産業省・中小企業庁)、③書店の新規出店に向けた支援(経済産業省・中小企業庁)、④既存の書店の事業承継に向けた支援(中小企業庁)、⑤中小企業等経営強化法の書店への適用に向けた事業分野別指針の整備(経済産業省・中小企業庁)、⑥業界団体を活用した低廉な決済手数料率の周知(経済産業省)、⑦キャッシュレス決済の導入に向けた環境整備(経済産業省)を、それぞれ実施する。
 
今回更新された「書店経営者向け支援施策活用ガイド」では、相談する内容ごとに具体的な補助金や融資が紹介されており、また、支援策利用者の声も掲載されているため、「書店活性化プラン」と併せて確認しておくとよい。
 
(参考)「書店活性化プラン」を公表します

https://www.meti.go.jp/press/2025/06/20250610004/20250610004.html