2026-07-06
財務省関税局は、このほど「税関中長期構想2030」を公表した。
これは、税関行政の新たな中長期のビジョンであり、従来の「スマート税関構想2020」を更に発展させるもので、2030年を見据えて、貿易の健全な発展と安全な社会、そして豊かな未来を実現するためにスマートかつ厳格に国境を超える貨物を管理する次世代型の税関を目指すことを目標としている。
構想としては、2030年に向けて訪日外国人旅行者と貨物の急増に対応するため、AI等の最先端技術を活用し、税関の取締手法や体制についての抜本的な変革を進め、次世代型の組織を構築することで、経済活性化に資する一層迅速な物流と人流、安全・安心な社会のため、国境での検査強化を同時に実現する施策を実行することとしている。
主要施策としては、「入国旅客の税関申告の完全電子化」、「AIの戦略的活用に向けたデジタル基盤の整備」、「全ての航空小口貨物の徹底検査」、「海上コンテナ貨物の検査体制の高度化」、「官民一体となった国際物流のリスク管理」、「経済安全保障リスクへの対応」などの6項目を挙げている。
中でも「入国旅客の税関申告の完全電子化」においては、ウォークスルーでの入国を実現するため、紙申告、有人対応からの脱却、税関申告の完全電子化など、入国旅客の更なる利便性向上・迅速通関を実現するほか、税関検査の高度化・効率化としてAI等の先端技術をフル活用、税関検査を高度化・効率化し、より厳格な水際取締りを実現することとしている。
また、「全ての航空小口貨物の徹底検査」では、全ての航空小口貨物を官民一体で徹底検査することや円滑な物流を行うため、大規模空港に「航空貨物検査センター」を設置し、オートメーションによる迅速なX線検査を行うことやAI等を活用し、X線検査画像の解析やリスク分析を高度化し、厳重検査貨物の抽出を精緻化することとしている。
そのほか、4つの変革として「モノ・ヒトの国境管理の高度化・強化」、「国内外パートナーとの協働強化」、「AI等先端技術と蓄積情報の活用」、「人材と次世代型組織」をテーマに挙げ具体的な施策を進めるとしている。
「税関中長期構想2030」は、税関行政を取り巻く今後の環境変化を見据え、「デジタル化による利便性向上」と「AIによる取締り強化」を両輪として、国際物流の円滑化と安全・安心な社会の実現を目指す国家戦略として、国民の期待に応える「世界最先端の税関行政」の実現を目指すものとなっている。
(参考)「税関中長期構想2030」を公表しました

