2026-06-03
会計検査院は5月15日、「マイナポイント事業に関する会計検査の結果について」を公表した。検査結果及び所見は以下のとおりである。
1 事業の実施状況
マイナポイント事業における令和元年度から5年度までの間の予算額は2兆1,422億円、これに対する支出額は計1兆3,905億円、このうち広報に要した経費は211億円となっていた。特に大規模な広報が展開されていた全国広報の広報戦略の実施に当たり、媒体の種類、媒体別投下量等をどのように検討して決定したかについて、その経緯が分かる資料は保存されておらず、これらの妥当性を確認できる状況とはなっていなかった
所見として、総務省は、今後、大規模な広報を実施する場合には、媒体の種類、媒体別投下量等を決定した経緯が分かる資料について、適切に保存するなどして、広報戦略の実施の妥当性を十分に説明できるようにすることとしている。
2 マイナポイントの申込みの状況及びマイナンバーカードの申請の状況
申込者数は、マイナンバーカードの取得等に係る施策が7,556万人、マイナ保険証の利用申込みに係る施策が6,818万人、公金受取口座の登録に係る施策が6,174万人となっていた。事業の実施前後において、マイナンバーカードの申請件数、マイナ保険証及び公金受取口座の登録件数は、それぞれ6,000万件以上増加し、事業の実施後においてマイナンバーカード等の利用実績が増加するなどしている一方、マイナンバーカードの自主返納が発生していた可能性があると思料される状況等も見受けられた。
所見として、総務省、厚生労働省及びデジタル庁は、マイナポイント事業が多額の国費を投じて実施されたものであることを踏まえて、マイナンバーカード、マイナ保険証及び公金受取口座について、利用等の状況を適時適切に把握して、一層の利活用を図るための方策を検討することとしている。
3 マイナポイントの利用の状況
総務省等において、決済事業者ごとのマイナポイントの利用実績は把握されておらず、消費の活性化等の効果が明らかにされていなかった。会計検査院において試算したところ、46登録サービスに係るマイナポイントの利用額は1兆1,623億円、利用率は94.2%となり、消費の活性化に係る効果額は約1兆2,239億円となった。
所見として、総務省は、今後、多額の国費を投じてキャッシュレス決済サービスを活用してポイントを付与する事業を実施する場合には、事業を所管する省庁等と連携して、ポイントの利用の状況等の把握に努めるとともに、事業の効果を検証することとしている。
(参考)「マイナポイント事業に関する会計検査の結果について」
https://www.jbaudit.go.jp/report/new/kobetsu07/r080515.html

