金融庁「手形・小切手機能の全面的な電子化について」を公表

金融庁は、3月31日に「手形・小切手機能の全面的な電子化について」を同庁ホームページで公表した。
 
手形・小切手機能の電子化は、日本の企業間決済のデジタル化を目的とした重要な政策であり、2021年に閣議決定された「成長戦略実行計画」において、約束手形の利用廃止と小切手の全面電子化を打ち出している。
 
計画では、2026年度末までに電子交換所における手形、小切手の交換枚数をゼロとし、2027年度からは電子交換所における手形・小切手の交換を廃止することを目標としており、産業界・金融界と政府が一丸となって目標の達成に取り組んでいる。
 
約束手形や小切手は長年、日本の商取引における代表的な決済手段として利用されてきたが、紙媒体であるがゆえに発行、輸送、保管、取立といった手続きが煩雑であり、企業や金融機関双方に事務負担が生じるほか、印紙税や郵送によるコスト、さらに紛失・盗難・不正利用といったリスクも存在していた。
 
今後、電子決済サービスへ切り替えることにより、業務効率や生産性の向上などが期待されている。具体的な電子化の方向としては、でんさい等の電子記録債権やインターネットバンキングによる振込などの電子決済サービスの活用が中心となる。
 
でんさいとは紙の手形に代わる電子的な決済手段で、正式には電子記録債権と呼ばれており、従来の約束手形のように期日払いの機能を持ちながら、紙ではなく電子データとして記録・管理される点に特徴がある。
 
企業は金融機関を通じて専用のネットワークにアクセスし、債権の発生や譲渡、消滅といった情報をオンラインで処理することになり、これにより、印紙税が不要、郵送料の削減、紛失や盗難のリスクがなくなるなど安全性の向上につながる。
 
一方、インターネットバンキングは、銀行の各種サービスをオンライン上で利用できる仕組みであり、振込や残高照会、取引履歴の確認などをパソコンやスマートフォンから行うことができる。
 
特に、企業向けのインターネットバンキングでは、総合振込や給与振込、口座管理などの機能が充実しており、経理業務の効率化となる。
 
これらの電子的手段の普及により、企業間決済がより迅速かつ安全に行えるようになるほか、紙の手形に伴う煩雑な事務処理やリスクが軽減されることは大きなメリットであり、デジタルデータとして取引情報が蓄積されることで、資金の流れの可視化や分析も可能となり、経営判断の高度化にも寄与することになる。
 
手形・小切手機能の全面的な電子化は、単なる決済手段の変更に留まらず、日本経済全体のデジタル化と生産性向上を支える重要な取組であり、金融庁は、産業界の連携・協力を得ながらその実現に向けての取り組みを進めている。
 
(参考)手形・小切手機能の全面的な電子化について

https://www.fsa.go.jp/policy/tegatakogitte/tegatakogitte.html#kanren