2026-04-06
日本商工会議所は、3月19日に「マンガでわかる『はじめての価格転嫁』」を発行した。
この冊子は、エネルギー価格や原材料費、労務費等の高騰が長期化する中で、中小企業が物価上昇を上回る賃上げと、適切な取引価格への転嫁を行うため、価格交渉などの実践的な交渉ステップ等をわかりやすく漫画で解説した資料となっている。
冊子では、価格転嫁ができずに悩む和菓子店「香林堂」が、商工会議所の経営指導員「吉澤美咲」から具体的なアドバイスを受けながら、自社の強みや価値を再認識し、国や地方公共団体が公表している各種ツールを活用して採算管理を行い、勇気をもって価格交渉に臨むまでのストーリーを描いている。
ストーリーの中で、あらゆるコストが上昇している昨今、コストアップを吸収するために行う必要以上のコスト削減は企業の利益を圧迫し、賃上げや設備投資の余力を奪うだけでなく、企業の存続そのものを危うくするとして価格転嫁を決断することが重要としており、適正な利益を確保しながら事業を継続するため、取引先との関係を維持しつつ価格の見直しを進める必要があるとしている。
次に価格への転嫁を進めるための準備として、自社のコスト構造を正確に把握することの重要性が示されている。
原材料費や外注費、人件費などの内訳を整理し、どの程度コストが上昇しているかを定量的に示せるようにすることが大切であり、併せて業界動向や同業他社の状況など外部環境の情報収集も行った上で客観的な根拠をもとに交渉に臨む必要があるとしている。
実際の交渉の進め方としては、単なる値上げをお願いするのではなく、データに基づいた説明と相手企業への配慮が鍵となる。
例えば、コスト上昇の要因を具体的に示し、どの程度の価格改定が必要かを明確に伝えるとともに、相手側の事情も踏まえた段階的な値上げや仕様変更などの柔軟な提案を検討することが望ましいとしている。
また、日頃からの信頼関係の構築が円滑な価格転嫁を支える基盤であると指摘するほか、価格転嫁を進める際には社内体制の整備も重要であり、営業部門だけに任せるのではなく、経営層が方針を明確に示し、全社的に取り組む必要があるとしている。
そのほか、冊子では、政府・関係機関等が用意した小規模事業者経営改善資金(マル経融資)やよろず支援拠点などの相談窓口なども紹介しており、このような支援ツールを活用することで中小企業の環境整備を図ることができる。
日本商工会議所では、この冊子を各地商工会議所や関係機関に配布するとともに、ホームページにも掲載し、全国の事業者に広く活用できるよう周知するなど、引き続き、中小企業・小規模事業者の円滑な価格転嫁の実現に向けて、積極的に取り組むこととしている。
(参考)マンガでわかる「はじめての価格転嫁」を発行事業者が勇気をもって交渉に臨めるように価格交渉のステップ等を分かりやすく解説
https://www.jcci.or.jp/news/news/2026/0319110000.html

