国税庁 「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」(第2回)資料を公表

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国税庁は5月11日、第2回「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を開催し、資料を公表した。今回の資料は、3名の委員から提出された資料によって構成されている。
 
渋谷委員の資料では、相続税における財産評価の観点から考察が行われ、財産評価の原則である時価評価について、「それぞれの財産の現状に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立する価額」であるとしつつ、実際には「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる」財産は限られ、そのような想定に基づいて評価するということとしている。また、財産評価のためには何らかの評価方法を用いる必要があり、合理的な評価方法は複数あること、課税庁が自由に決められないこと、課税上は「かための評価」がされるとしている。
 
次に財産評価の実際として、財産の種類については、「かための評価」にとどまらず、時価を下回る評価がされることがあるとし、判例を挙げている。評価水準の平等を達成するためには、評価通達の内容の合理化が必要であり、簡便性・統一性も求められるとしている。
 
弥永委員の資料では、会社法の観点から「会社法の下での裁判所による価格決定」、「裁判例の傾向」、「取引相場のない株式の評価」、「いわゆる非流動性ディスカウントの可否」について具体的事例を挙げて考察が行われている。これらを踏まえた上で「税法上の評価方法の見直しに対するインプリケーション」についてまとめられており、事業承継税制などで納税の猶予等の措置を講ずることが必要であることが示されている。
 
熊谷委員の資料では、M&A実務における中小企業(非上場企業)の企業価値評価の観点から、「評価の目的」、「評価手法」、「弊社評価方法と税務上の評価方法との差異」について考察が行われている。
 
まず、「評価の目的」は、M&A取引交渉の発射台を取引当事者に提示することでディール進行を円滑にすることであり、次に「評価手法」については、コストアプローチをはじめとする手法からの手法の選定、時価純資産及び営業権の算定手順が具体的に示されている。「弊社評価方法と税務上の評価方法との差異」については、主な差異として不動産(土地)評価の時価での計上などが挙げられており、プラスマイナスの要因があるが、実態利益は増額修正となって営業権が相応に計上される会社は多いとしている。
 
(参考)「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」(第2回)資料

https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260511/pdf/02shiryo_kabukaigi.pdf