2026-02-26
内閣府は、毎年夏の「年次経済財政報告(経済財政白書)」公表後の経済状況を分析し、「日本経済レポート」として公表しており、2月10日に2025年度分を公表した。
今回は、我が国の経済動向や物価・賃金の動きを振り返るとともに、家計部門の属性に着目した物価上昇の影響の違いや、企業部門の力強い成長、さらには賃上げに向けた人的投資やM&Aの現状・課題について分析を行っており、内容は以下のとおりである。
まず第1章では、我が国のマクロ経済の動向を概観するとともに、賃金と物価の好循環の実現に向けた現状と課題を点検し、
・我が国経済は、2025年における米国の関税引上げという逆風に見舞われながらも、内需を中心とした緩やかな回復が続いており、米国の関税措置については、2025年7月の日米間の合意により、ひと頃に比べれば不透明感は緩和してきているが、引き続き景気を下振れさせるリスクの一つとなっている
・食料品など身近な物の価格上昇が続いていることにも注意が必要であり、賃金は緩やかながら安定的に上昇しているものの、物価上昇には追い付いておらず、これが消費の回復に力強さが欠ける一つの要因となっている
・賃金の影響が大きいサービス価格も徐々に上昇してきており、また、食料品価格の上昇が鈍化するなど物価動向にも変化の兆しがみられる
としている。
続いて第2章では、成長型経済の実現に向けた課題について、物価高の影響、賃金と生産性、企業行動の観点から分析を行い、
・食料品価格が主導する物価上昇の影響を家計の属性別にみると、消費支出に占める食料品の割合は、所得の低い世帯などにおいて増加する傾向が顕著にみられ、結果として、こうした世帯では、直面する物価上昇率が相対的に高く、消費が押し下げられるとともに、全体の景況感も押し下げられるといった悪影響が生じている可能性がある
・国全体では定着しつつある賃金上昇の広がりも、年齢別や産業別でみると、必ずしも広がりが十分ではない層も確認され、物価上昇を上回る賃金上昇の定着に向けては、賃上げをいかに全体にいきわたらせるかも課題である
・賃金上昇の実現には、労働生産性の向上も重要であり、我が国の労働生産性は、主要国に比べ低水準にとどまり、今回の分析では、その一つの要因として人的投資や自己啓発の意欲が低いことなどを示している
としている。
(参考)「2025年度日本経済レポート」
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2025/0210nk/nk25.html

