2026-01-27
中小企業庁及び公正取引委員会は、昨年12月23日に「運送事業者間の取引における下請法違反被疑事件の集中調査の結果を公表します」を同庁及び同委員会のホームページで同時発表した。
これは、中小企業庁と公正取引委員会が連携し、「下請代金支払遅延等防止法」(以下「下請法」)に違反する疑いのある行為を行っている事業者に対して、取引の適正化のため、特定の業種・業界の下請法違反被疑行為について集中的に調査し、違反する又は違反するおそれがある行為等が認められた事業者に指導等を行った結果を取りまとめたものである。
具体的には、令和7年4月以降、運送事業者間の取引について集中的に調査を行い、運送事業者に対して2件の勧告及び530件の指導を行うとともに中小企業庁の下請Gメンによるヒアリングも実施した。
調査の結果確認された主な違反行為とその指導内容は以下のとおりである。
1 書面の未交付・記載不備
(違反行為)
・ 運送業務を委託する際、発注書面等を交付していなかった。
・ 運送業務以外の役務(荷待ち、積込み・取卸し等)を委託しているにもかかわらず、委託内容に明示されていなかった。
(指導内容)
・ 委託内容を具体的に明記するよう指導。
・ 発注書面等に「その他一切の付帯業務」と記載していた場合は、運送業務以外の役務を明確にするよう指導。
2 買いたたき(不当な価格決定行為)
(違反行為)
・ コスト上昇局面において受託側の運送事業者と協議を行うことなく代金を据え置いていた。
・ 受託側の運送事業者が代金の引上げを求めたにもかかわらず、理由を書面等で回答することなく、代金を据え置いていた。
・ 委託内容を発注書面等に記載しているにもかかわらず、運送業務以外の役務について、十分な協議をせず、その代金を支払っていなかった。
(指導内容)
・ 運送事業者に対して、受託側の運送事業者と十分な価格協議を行う場を設けるよう指導。
・ 協議の際、労務費のコスト上昇を考慮し、十分な協議を行った上で代金の額を定めるよう指導。
3 不当な経済上の利益の提供要請
(違反内容)
・ 委託内容を発注書面等に記載していないにもかかわらず、運送業務以外の役務(荷待ち、積込み、取卸し等)を無償で行わせていた。
・ 有料道路の利用が必要な遠距離運送業務であるにもかかわらず、有料道路の利用料金を受託側の運送事業者に負担させていた。
(指導内容)
・ 運送業務以外の役務内容について運送業務とは区別して定め、その役務に係る対価について十分な協議を行い、適正な対価を定めて支払うなど、受託者側の運送事業者の利益を不当に害さないよう指導。
下請法は、令和8年1月1日に「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(以下「取適法」)に改正されており、今後は取適法、トラック法(貨物自動車運送事業法)等の関係法令を遵守し、取引の適正化を進めていくことが求められる。
公正取引委員会、中小企業庁及び国土交通省は、執行情報の共有を行う連絡協議会を定期的に開催するなど一層の連携と違反行為への指導を強化し、物流業界全体の取引適正化の実現を図ることとしている。
(参考)運送事業者間の取引における下請法違反被疑事件の集中調査の結果を公表します
https://www.meti.go.jp/press/2025/12/20251223004/20251223004.html

