「調査通知」以後の全ての修正申告に加算税を賦課

2016年度税制改正により、国税通則法の一部が改正され、その中で加算税制度の見直しが行われた。具体的には、(1)実地調査に際し、調査に関する一定事項の通知(「調査通知」)があった以後の修正申告書等に対して、加算税が課される措置、(2)短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠ぺいが行われた場合に加算税の割合が加重される措置、が設けられた。改正後の制度は、今年1月以後に法定申告期限等が到来する国税から適用される。

特に注目されるのは、(1)の「調査通知」が新たな加算税賦課の基準とされたこと。調査通知以後の修正申告には全て加算税が賦課されることになる。これまで税務調査前に行われていたのは「事前通知」であって通知項目は11項目に及ぶが、2016年度税制改正では、この事前通知項目から、「実地調査を行う旨」、「調査対象税目」、「調査対象期間」の3項目を抜き出し、これらの3項目を通知すれば通知が完了する形となっている。

改正前は、例えば、企業の顧問税理士等に実地調査を行うための電話があった場合、事前通知の11項目全てが伝われば完了するが、実際には日程調整などに時間を要することもあって、事前通知がすぐに完了することはなかった。しかし今後は、日程調整等に時間がかかるとしても、実地調査を行うための電話で上記の3項目の通知が済めば、その時点で調査通知については完了し、その後の修正申告に対する加算税賦課要件は完了する。

つまり、これまでは、事前通知が完了するまでに修正申告をすることにより、加算税賦課を免れるケースが散見されていたが、時間がかからない調査通知が設けられたことで、そのような加算税賦課の回避が封じられたことになる。また、調査通知以後の修正申告で、調査による更正等を予知してされたものでない場合は、改正前であれば加算税賦課の対象外だったものが、改正後は過少申告加算税が5%の割合で賦課される。

なお、調査通知に係る運用自体は2017年1月1日以後の実地調査から行われているようだが、加算税の賦課は、2017年1月1日以後に法定申告期限又は法定納期限(法定申告期限等とみなされる期限を含む)が到来する国税から適用される。例えば、所得税や贈与税であれば2016年分から、法人税であれば12月決算法人は2016年12月申告分、3月決算法人は2017年3月申告分から適用されることになる。