「第3回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」

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政府税制調査会は6月11日、第3回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合を開催した。議題については、以下の4点となっている。
 
1点目、「国境を越えたEC取引に係る適正な課税に向けた課題」については、これまでの意見として、「フルフィルメントサービスに関し、デジタルサービスと同様、物品販売についてもプラットフォーム事業者に納税義務を転換すべきでないか」、「各国の状況等も参考にしながら少額免税制度の見直しを進めてほしい」、「『フルフィルメントサービスにおける国外事業者の無申告』と『少額免税制度』への対応は、国外事業者がどちらかに流れることがないよう、同時に対応すべきでないか」などが挙げられている。
 
次に「税に対する公平感を大きく損なうような行為への対応」については、検討に当たっての視点として、「国税当局が求める資料等が提示・提出されず正確な事実関係を確認することができない場合において、納税者に協力を促すためにどのような措置が考えられるか」を挙げ、留意点として「資料の提示・提出を拒む納税者に対してどのような効果を生じさせることが有効か」などを示している。
 
3点目、「事業者のデジタル化・税務手続のデジタル化に向けた取組」については、検討にあたっての視点として「今後、関係機関・団体が連携して取り組んでいくことが重要」を挙げ、具体的なイメージとして「『取引から会計・税務までのデジタル化』について、基本的な考え方等に係る共通認識を醸成」することなどを示している。
 
4点目として、今回、新たに総務省から「個人住民税の現年課税化」が説明されている。この項目については、令和5年6月の同会「わが国税制の現状と課題-令和時代の構造変化と税制のあり方-」において、個人所得課税の課題「働き方など個人のライフコースの選択に中立的な税制の構築」として提起されている。
 
まず、個人住民税を前年所得課税としている理由を踏まえ、「現年課税化の意義」として、「所得発生時点と納税の時点を近づけることで、前年より所得が減少した者の負担感が減少する(働き方の多様化なども念頭)」、「所得税と同時期に課税が行われる結果、税を負担する者にとって分かりやすいものとなる」、「収入発生時に税を徴収するため、徴税が容易になり、税収の安定的な確保に資する」点を挙げている。
 
その上で、主な論点(給与所得者の場合)として、以下の3点を示している。
1 給与支払者(企業等)における業務について
2 課税団体である市町村における業務について
3 現年所得課税への切替時の税負担のあり方について、どのような対応が考えられるか。
 
(参考)「第3回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」

https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/digital-noukan/2025/7digital-noukan3kai.html