会計検査院、税金の徴収漏れ約2億7千万円を指摘

会計検査院が7日に公表した2015年度決算検査報告によると、各省庁や政府関係機関などの税金のムダ遣いや不正支出、経理処理の不適切などを指摘したのは455件、1兆2189億4132万円(420件分)にのぼった。前年度に比べ、指摘件数は101件減ったものの、指摘額では前年度(1568億6701万円)の約7.8倍にのぼり、過去最多だった2009年度(1兆7904億円)に次ぐ2番目の多さだった。

これは、預金管理機構が管理している資金のうち、「金融機能早期健全化勘定」の利益剰余金1兆5991億円(2015年度末)について、検査院は必要な資金は約5000億円で十分と試算。残りの1兆964億円を、使う見込みのない「余裕資金」とみなしたことが全体の押し上げ要因となったもの。検査院は、預金保険機構を管理する金融庁に対して国庫への納付など改善策を求めている。

財務省に対しては、法令違反に当たる不当事項として、税金の徴収額の過不足2億7648万円(前年度:2億7581万円)が指摘された。38税務署において、納税者59人から税金を徴収するに当たり、徴収不足が61事項、2億7493万円、徴収額過大が2事項、155万円だった。前年度は、38署において徴収不足が72事項、2億3109万円、徴収過大が2事項、4472万円だったので、徴収不足は約19%増加したことになる。

徴収が過不足だった63事項を税目別にみると、「法人税」が26事項(1事項は徴収過大91万円)で徴収不足が1億9330万円と最多、以下、「申告所得税」22事項、同3873万円、「消費税」6事項(1事項は徴収過大で64万円)、同770万円、「相続・贈与税」4事項、同2020万円、「復興特別法人税」4事項、1270万円などだった。これらの徴収過不足額については、会計検査院の指摘後、全て徴収決定または支払決定の処置がとられている。

財務省に対する不当事項(租税の徴収額に過不足)は↓
http://www.jbaudit.go.jp/report/new/summary27/pdf/fy27_futo_080.pdf