2026-01-09
経済産業省は、昨年12月26日に閣議決定した「令和8年度税制改正の大綱」において、経済産業関係の改正概要を取りまとめた「令和8年度 税制改正のポイント」を公表した。
改正のポイントでは、以下の項目で改正事項を説明している。
1 熾烈化する国際環境における国内投資促進及び産業基盤整備
2 我が国の科学技術の発展に資する研究開発・イノベーション投資の促進
3 中小・小規模事業者の事業承継・成長促進、地域経済の活性化
4 GXの実現・エネルギーの安定供給に向けた基盤強化
5 移り変わる国際課税への対応
特に今回の改正は「成長型経済への移行」、「賃上げの持続」を中心に企業の投資意欲を高めるとともに、中小企業の経営基盤を支える内容が盛り込まれた。
主な改正事項は以下のとおりである。
・ 国内投資の拡充を通じて、企業の「稼ぐ力」を向上させ、賃上げを含めた好循環を形成するため、大胆な設備投資を促進する税制(建物を含む即時償却や税額控除7%等)を創設
・ 研究開発税制の拡充・延長としてAI・量子・バイオ等の戦略技術領域について、事業者自らの研究開発を促進する「戦略技術領域型」(控除率40%)、そのうち、特に高い研究力を持つ研究拠点とのオープンイノベーションを促進する「大学拠点等強化類型」(控除率50%)を創設するとともに、「戦略技術領域型」(「大学拠点等強化類型」を含む)に対する繰越税額控除制度(3年間)を創設
・ 国内自動車市場の活性化を図るとともに、自動車取得時における負担を軽減、簡素化するため、環境性能割を令和8年3月31日に廃止
・ 賃上げ促進税制の見直し(大企業向け措置は令和7年度末で終了、中堅企業向け措置は賃上げ基準を見直し、中小企業向け措置は維持・継続)
・ 中小企業の事業承継を後押しするため、法人版及び個人版の事業承継税制について、特例承認計画等の提出期限の延長(法人版:令和9年9月末、個人版:令和10年9月末)
・ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置について、対象資産の取得価額を40万円(現行30万円)に引上げるとともに適用期限を3年間延長
・ 長年据え置かれていた食事支給に係る所得税非課税限度額について、物価上昇等の実態を踏まえて引上げ(月額3,500円(税抜)→月額7,500円(税抜))
・ インボイス制度の定着のため、免税事業者からの仕入に関する特例(8割控除)について、控除可能割合の引下げペース・幅を緩和し、適用期限を令和13年9月末まで延長するほか、インボイス発行事業者となった小規模事業者に関する経過措置(2割特例)を個人事業者について納税額を売上税額の3割とする経過措置を更に2年間適用
このほか、産業用地整備促進税制の創出、カーボンニュートラル投資促進税制・中小企業技術基盤強化税制・オープンイノベーション促進税制の拡充・延長、外国子会社合算制度の見直しなどの改正事項がある。
経済産業省は、トランプ関税で国際的な不確実性が高まり、各国において投資の囲い込み競争が激化する中、2040年度国内投資額200兆円の実現に向け、設備投資、研究開発投資などを強力に後押しし、税制改正による企業の投資・収益の拡大を通じて将来的な税収増につなげていくとしている。
(参考)経済産業関係 令和8年度税制改正のポイント
https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2026/zeisei_k/2026zeiseikaiseipointo.pdf
(参考)経済産業関係 令和8年度税制改正のポイント(概要)
https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2026/zeisei_k/2026zeiseikaiseigaiyo.pdf

