日本商工会議所「デジタル化でつながる中小企業の未来」を作成

日本商工会議所は、10月23日、「デジタル化でつながる中小企業の未来」作成・公表した。
 
中小企業等の人手不足はかつてなく深刻化しており、デジタル化による業務の効率化、生産性向上が急務となっている状況を踏まえ、日本商工会議所では、昨年4月に提言「デジタル化でつながる中小企業の未来」を公表し、「政府」「業界団体」「商工会議所自身」「中小企業の経営者」が、それぞれ取り組むべきことを整理している。
 
この冊子では、「中小企業の経営者」が取り組むべきことに焦点を当て、デジタル化に関心や意識を持ってはいるものの、何から始めればよいか分からない、どのように進めればよいか迷っている中小企業・小規模事業者(「中小企業等」)の経営者に向けて、デジタル化の具体的なステップや、直面しがちな課題とその解決策をストーリー形式で解説しており、関連する国の施策等および先進的なデジタル化の取り組みを進める企業等の事例についても紹介が行われている。
 
冊子の主な内容は、第1章 中小企業自身の意識変革/誤解や思い込みの解消、第2章「構造的課題」への対応となっており、第1章では、デジタル化が必要な理由や必要なツール、デジタル化に要する費用、スマートフォン利用、生成AIについて説明がされており、第2章では、「自社だけやっても効果が薄い」「デジタル化を推進できる人材がいない」といった、個社だけでは解決できない課題への対応事例が掲載されている。
 
デジタル化の何から始めればよいか分からない経営者には、コラムで経営課題や業種・業態に合ったデジタルツールを探す方法として「IT戦略ナビwith」や「ここからアプリ」が紹介されているため、参考にするとよい。
 
「IT戦略ナビwith」は、簡単な質問に答えるだけで、自社のデジタル化の現状を客観的に把握し、今後のIT戦略の「地図」を自動で作成してくれる無料ツールで、同業他社と比較して、自社のデジタル化がどのくらい進んでいるのかの「見える化」を行うことができ、業種や目的から、自社に合ったアプリを効率的に探すことができる(「アプリ検索」メニュー)ツールである。
 
また、売上アップや人材確保といった経営課題とそれを解決するためのデジタルツールを体系的に整理した「IT戦略マップ」を示すことができ、具体的にどのようなステップでITを導入していくのか、そのプランも自動で作成することができる。
 
「ここからアプリ」は、「IT戦略ナビwith」で立てた計画に基づいて、具体的なデジタルツール(アプリ)を探すことができるウェブサイトである。同サイトでは、中小企業基盤整備機構の審査基準を満たした、使いやすく導入しやすい業務用アプリや、ツールの導入事例、活用可能な補助金情報が掲載されている。
 
「IT戦略ナビwith」で「全体像」を捉え、「ここからアプリ」で「具体的な手段」を見つけることができるため、これらを活用すれば、デジタルに詳しくなくても、計画的かつ効率的に自社のデジタル化を進めることが可能となる。
 
(参考)冊子「デジタル化でつながる中小企業の未来」を作成

https://www.jcci.or.jp/news/publication/2025/1023140001.html