2025-09-02
中小企業庁は8月5日、「中小M&A市場改革プラン」を公表した。
背景として、近年、中小・小規模事業者(以下「中小企業」という。)において、経営者の高齢化に伴う後継者不在の問題が経営上の課題として強く認識される中、同庁では事業承継・M&Aの推進を図ってきたが、事業承継ニーズの高まりを受け、中小企業を当事者とするM&A(以下「中小M&A」という。)の件数は大きく増加したものの、とりわけ地方部や比較的小規模の中小企業において、引き続きM&Aに対する不安感が残っていることなどを踏まえ、中小企業全体におけるM&Aの浸透・実現に向けた不安の解消や理解の醸成を図っていく必要がある。
また、人手不足の深刻化など、中小企業を取り巻く事業環境が変化する中で、M&Aを単に事業承継を実現するための選択肢としてではなく、中小企業が成長を実現するための戦略的な手段として推進を図っていく重要性が一層高まっている。
さらに、中小M&Aの市場が急速に拡大したことに伴い、M&A支援機関が増加する中で、その支援の質が十分とは言えないという声が聞かれるとともに、不適切な譲り受け側の存在も指摘されている。これまで同庁では、「中小M&Aガイドライン」などの取組により、M&A支援機関の質・倫理観の向上やM&Aの実務ルールの浸透を図ってきたが、更なる取組が求められており、こうした観点を踏まえ、2025年4月に「中小M&A市場の改革に向けた検討会」を設置し検討を行ってきたところ、今般、各関係者が実施すべき取組を示すとともに、それらを促進するための施策について取りまとめたものである。
本プランにおいては、同庁におけるこれまでの中小M&Aの普及・促進を図るための取組のほか、事業承継・M&Aに係る現状を紹介し、その上で中小M&A市場改革に向けた今後の施策の方向性として、中小M&Aのプレイヤーごとに「譲り渡し側」、「中小M&A市場」、「譲り受け側」の3つの軸で施策を取りまとめ、引き続き中小M&Aの普及・促進を図るとしている。
1 譲り渡し側に係る施策
支援機関による事業承継ニーズ掘起し強化など
2 中小M&A市場に係る施策
M&A支援機関の業務の内容・質の開示強化など
3 譲り受け側に係る施策
複数回のM&A(グループ化)の推進など
(参考)「中小M&A市場改革プラン」を公表します
https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250805002/20250805002.html