「公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の特例のあらまし」を公表

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令和7年度税制改正に伴い、公益法人等に対する財産の寄附に係る譲渡所得等の非課税制度が一部改正された。国税庁は、パンフレット「公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし」を公表した。
 
個人が土地や建物、株式などの財産を法人に寄附した場合、通常は寄附時の時価で譲渡があったものとみなされ、取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税される。ただし、これらの財産を公益法人等に寄附し、一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたときは、非課税となる特例がある。
 
この特例には、「一般特例」と「承認特例」の2種類がある。「一般特例」は、公益の増進に著しく寄与する寄附について承認を受けた場合に非課税となるものである。「承認特例」は、承認特例対象法人に寄附した場合で、寄附者が寄附を受けた法人の役員等に該当しないことなどの要件を満たせば、非課税となるものである。なお、「一般特例」は、非課税承認された場合、承認の通知が行われるが、「承認特例」については承認があったとみなされる「自動承認」の仕組みが設けられている。
 
いずれも非課税承認を受けるためには、財産が寄附から2年以内に公益目的の事業に直接使われるなどの要件を満たす必要があり、所轄の税務署を経由して国税庁長官に承認申請書を提出する。もし、寄附日から2年以内に公益目的の事業に使用されなかった場合や、使用を途中でやめた場合は承認が取り消され、譲渡所得として所得税が課されることになる。
 
今回の改正では、「承認特例」の対象範囲に公益信託の受託者に対するその信託財産とするための贈与等で一定のもののうち、その贈与等に係る財産が一定の基金に組み入れられるものが加えられた(※)。新しい公益信託制度は、今夏をめどに新公益信託法施行に必要な法令等が作成されることとなっており、当該改正の施行は令和8年4月1日となる見込みである。
 
(参考)公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020006-125.pdf