2025-05-12
中小企業庁は4月21日、中小企業活性化協議会(以下「活性協」という。)における再チャレンジ支援を受けた中小企業者の事例を取りまとめた「中小企業活性化協議会を通じた再チャレンジ事例集」を作成し、公表した。
活性協は、中小企業の活性化を支援する「公的機関」として、すべての都道府県に設置され、公正・中立な立場から、収益力改善支援、再生支援などを通じて中小企業の経営改善及び事業再生を支援しており、専門家との相談を無料で受けることが可能となっている。他方では、様々な要因から事業再生にも着手することができず、活性協に相談した時点では、もはや事業再生が困難な状態に陥っている事業者も多い。
活性協では、そのような事業再生が難しい企業に対しても、再チャレンジ支援を実施しており、支援に当たっては、私的整理手続、事業譲渡などを用いたいわゆる「円滑な廃業」や破産になる場合であっても、その影響を最小限に留める軟着陸的な破産などに向けた支援を行うとともに、当該企業の保証人に対しては保証債務整理を通じた個人破産回避の支援を行っている。
また、廃業や破産が避けられない場合であっても、早期に決断すればその傷は浅く済み、その後の経営者や従業員の円滑な再チャレンジにつながることがあり、早期の段階での相談を呼び掛けている。
本事例集は、実際に活性協の再チャレンジ支援を受けた事例(成功・失敗)及び当該事例の成功要因などを紹介することにより、再チャレンジ支援を受けることについて検討している中小企業者などの判断を手助けし、活性協への早期相談を促すことを目的としている。
一般にイメージされる「破産」や「廃業」では、事業が完全になくなり、経営者も全ての財産を失うと思われがちであるが、「破産」や「廃業」には様々なバリエーションがあり、中には企業が破産しつつも事業については継続できるケースや、経営者の破産を回避できるケースもある。本事例集に挙げられている事例を通じ、再チャレンジ支援を受けたことで実際にどのようなことが実現できたのかについて確認することができるとしている。
(参考)「中小企業活性化協議会を通じた再チャレンジ事例集」を公表