2026-08-10
国税庁は7月21日、「酒のしおり(令和8年7月)」を公表した。
しおりは、主要部分として「酒レポート」と「酒類行政の基本的方向性」の二部で構成されており、同レポートでは、「酒類業界を巡る状況」と「酒類業界の主な課題と国税庁の取組」について、統計データ等を参照した説明、取組が紹介されており、「酒類業界を巡る状況」については、視点が国内市場と世界市場に分けられている。
国内市場は、少子高齢化や人口減少による人口動態の変化、消費者の低価格志向、ライフスタイルの変化、嗜好の多様化等により、市場は全体として縮小傾向にある。各酒類の課税数量の構成比率は大きく変化しており、特にビールについては、平成6年度以降大きく減少したが、近年は増加傾向にある。酒税の課税額は、平成6年度以降、減少傾向となっているが、令和6年度の課税額は1.2兆円となっており、安定した租税収入として引き続き重要な役割を果たしている。内訳はビールが3割超(約4,456億円)であり、チューハイなどのリキュールを合わせた低アルコール飲料が全体の3分の2を占めている。また、酒類の消費(販売)動向について、令和6年度の消費(販売)数量は10年前と比較して約7%減少している。
個別の酒類である清酒について、令和6年度の課税数量は、ピーク時(昭和48年度)の3割以下に減少しているが、純米酒や純米吟醸酒は増加傾向にあり、清酒製造業の出荷金額の単価も近年増加傾向にあることから、高付加価値の商品の需要の高まりを表していると考えられる。
続いて、世界市場について、中でも日本産酒類の輸出の状況については、清酒、ウイスキー等の日本産酒類の国際的な評価の高まりを背景に輸出が増加し、令和7年には過去最高の1,495億円(対前年比11.8%増)となっている。輸出先では、中国が近年は不景気により大幅減少していたところ令和7年には対前年比19.4%と復調傾向にあり、米国は関税措置の影響が懸念されるも対前年比4.7%と堅調に増加し、両国で輸出額の38.1%を占めている。品目別では、ウイスキー(490億円)、清酒(459億円)の二品目で輸出額の63.5%に達している。
これらのほか、「酒類業界を巡る状況」では「酒類業免許の状況等」が、「酒類業界の主な課題と国税庁の取組」では、「酒類業の振興」、「コンプライアンスの確保」について、課題とそれらに対する取組が取り上げられている。
(参考)「酒のしおり(令和8年7月)」
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2026/index.htm

