2026-08-04
総務省及び警察庁は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)等と連携し、家庭用IoT機器を悪用したサイバー攻撃への対策を推進するための検討を行っており、7月21日「レジデンシャルプロキシ」の悪用実態や対策についてとりまとめ・公開した。
今回のとりまとめでは、一般家庭向けのインターネット回線に接続して使用されるIoT機器が第三者の通信を中継する仕組み(レジデンシャルプロキシ)の実態とレジデンシャルプロキシとなる仕組み、レジデンシャルプロキシとして悪用されるリスクを低減するための対策例が記載されており、IoT機器の利用者が認識しないところで、サイバーセキュリティ対策上の重大な脅威とならないようにするための知識と対策が掲載されている。
・レジデンシャルプロキシの実態
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の調査によれば、レジデンシャルプロキシは国内に少なくとも数万台以上の規模で存在すると推定されている。また、警察庁の分析によると、令和6年中に発生したインターネットバンキングに係る不正送金事犯において、犯行時にレジデンシャルプロキシが用いられたものが少なくとも1,918件、被害額約28.9億円となっている。
・レジデンシャルプロキシとなる仕組み
レジデンシャルプロキシとなる仕組みとしては、⑴ ソフトウェアのインストール等に伴うもの、⑵ IoT機器自体に仕込まれたマルウェア(不正なソフトウェア)によるものがある。
⑴ ソフトウェアのインストール等に伴うものには、プロキシ化マルウェア・アプリと収益をうたう通信帯域提供サービス・アプリがあり、ソフトウェア開発キット(SDK)やレジデンシャルプロキシとして動作させるためのマルウェアが含まれているソフト等を機器にインストールして使用する場合や「使用していない通信帯域(データ通信量)を共有することで収益を得られる」とうたうサービスやアプリを利用することでレジデンシャルプロキシとなる。
⑵ IoT機器自体に仕込まれたマルウェアには、製造過程又は流通過程で仕込まれたマルウェアとIoT機器のぜい弱性等を突かれる事があったり、購入前の製造・流通段階からレジデンシャルプロキシとして動作させるために必要なマルウェアやダウンローダー等が仕込まれているものもあったりと、IoT機器にぜい弱性やセキュリティ設定の甘さがある場合、外部から侵入され、レジデンシャルプロキシとして動作することがある。
・レジデンシャルプロキシとして悪用されるリスクを低減するための対策例
利用する IoT 機器等がレジデンシャルプロキシとして悪用されるリスクを低減するためには以下のような対策を行うことが有効とされている。
⑴ 提供元不明のソフトウェア、アプリ、無料 VPN 等を安易に利用しない
⑵ 収益をうたう通信帯域提供サービスやアプリを安易に利用しない
⑶ 不審な動画ストリーミングデバイス等の IoT 機器を使用しない
⑷ OS、ファームウェア等を最新の状態に保つ
(参考)家庭用IoT機器を悪用したサイバー攻撃への官民一体となった対策の推進について
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00293.html

