2026-01-05
総務省は、令和7年11月21日「地方税制のあり方に関する検討会報告書」を公表した。
この報告書では、道府県民税利子割の課税団体とあるべき税収帰属地との乖離が生じている状況に対応するための方策についての検討と地方公共団体間の税収の偏在や財政力格差に係る原因・課題の分析等が行われている。
報告書のうち、地方公共団体間の税収の偏在や財政力格差に係る原因・課題の分析についての概要は下記のとおりである。
1.地方公共団体の税財政や行政サービスの現状
⑴ 地方税収の現状
・全国の税収に占める東京都の税収(都及び市区町村の合計)のシェアは17.6%となっている。
⑵ 地方財政の現状
・地方税収の増加に伴い、不交付団体は財源超過額が増加しているが、交付団体は地方税収が増加しても、一般財源の増加は限定的となっている一方で、東京都の財源超過額は、4年連続で増加しており、令和7年度は約2兆円で過去最高となっている。
⑶ 地方公共団体の行政サービスの現状
・東京都は近年、所得制限を設けない住民への直接的な給付サービスなど様々な行政サービスを実施している。
2.人口動態及び経済社会構造の変化
⑴ 人口動態
・我が国の総人口が減少を続ける一方、東京都の人口は増加し、総人口に占めるシェアが上昇し続ける見込みであり、令和6年は、10代と20代を合わせて約10万人の転入超過となっており、若年層が進学や就職を契機に東京都に転入する傾向にある。
⑵ 法人の事業活動・組織形態の変化
(法人の事業活動・組織形態の変化)
・大法人の本社や、本社を支援する産業(情報通信業、金融業など)の東京都へ集積している。
(地方法人課税)
・一の都道府県のみに納税する法人(非分割法人)のうち、東京都のみに納税する法人の税収シェアが大幅に増加し、また、複数の都道府県に納税する法人(分割法人)においても、支店の統廃合や東京本社の従業者数の増加により、東京都に分割される税収が増加している。
⑶ 地価の動向と都市開発の進展
(地価の動向と都市開発の進展)
・海外からの投資やインバウンドの影響、再開発事業の進捗、限られた土地資源の中での土地利用者の需要の競合等により特別区の地価が上昇している。
(土地に係る固定資産税)
・東京都や特別区が提供する行政サービス以外の要因によっても地価が上昇し、東京都が課税する特別区の税収シェアが拡大している。
3.東京一極集中がもたらす課題と税収の偏在是正の必要性
⑴ 東京一極集中がもたらす課題
① 経済活動の東京一極集中の進展
・経済社会構造の変化が今後も進行すれば、東京都への税源の偏在が一段と拡大し、他の道府県と比べ東京都の地方税収が大きく増加すると考えられる。
② 行政サービスの地域間格差の拡大
・地方公共団体が行う独自施策等に充てられる財源の各都道府県の人口一人当たりの額が東京都(28.1万円)は他道府県の平均(7.8万円)の約3.6倍となっている。
⑵ 税収の偏在是正の必要性
・東京都の財源超過額は既に過去最高となっており、現状の地方公共団体間の財政力格差を放置すれば、財政力格差が拡大する蓋然性が高く、地方公共団体間の財政力格差の是正を図るべく、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築するための具体的な方策を講じるべき、としている。
(参考)「地方税制のあり方に関する検討会報告書」の公表
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu02_02000439.html

