特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律に基づく指導等について

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公正取引委員会は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の違反被疑事実に関する情報収集を積極的に行っている。その一環として、令和6年度において、問題事例の多い業種に係る発注事業者3万名を対象に「フリーランスとの取引に関する調査」を実施したほか、同法の規定に違反する事実があるとして同委員会に申出がされたことにより得られた情報などを踏まえ、フリーランスとの取引が多い業種である放送業及び広告業の事業者について集中的に調査を行った。その結果、令和7年10月までの間に128名の事業者に対して、契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等のほか、報酬の額の決め方、給付内容の変更、やり直しに係る費用負担等の禁止行為についての是正を求める指導を行い、指導内容について12月10日に公表した。
 
指導の対象となった事例として、取引条件の明示義務(第3条)については、「業務委託をする際に取引条件を明示していなかった」、「一定期間共通の取引条件(共通事項)との関連性を個々の発注時に明示していなかった」、「譲り受ける知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明示していなかった」などがある。
 
次に期日における報酬支払義務(第4条)については、「請求書を提出した日を基準に支払期日を設定していた」、「自社の事務処理遅れを理由に、支払期日より後に報酬を支払っていた」、「受入検査に合格した日を基準に支払期日を設定していた」などがある。
 
発注事業者の禁止行為(第5条)については、「自社の予算や規定を基準にして報酬の額を一方的に決定した」、「コスト上昇を理由とした報酬引き上げ要請に対し、理由を記録に残る方法で回答することなく従来どおりの報酬の額に据え置いた」などがある。
 
また、同法施行後、同法第5条(買いたたきの禁止、報酬の減額の禁止など)に係る相談対応や指導等を行ってきたところ、法運用の透明性及び事業者の予見可能性を確保するため、これまでの運用を踏まえ、同法第5条の各規定に関する留意点として、「イベント中止に伴う直前キャンセルの場合」、「報酬を特定受託事業者の銀行口座に振り込む場合」、「単価を引き下げる単価改定を行い新単価を適用する場合」を取りまとめている。
 
(参考)「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律に基づく指導等について」

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/dec/251210_fl_shido.html