国税庁 令和6事務年度 法人税等の申告事績の概要

国税庁は、10月30日に令和6事務年度の法人税、地方法人税、源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の申告(課税)事績を公表した。
 
令和6事務年度における法人税の申告件数は322万件(前年度比1.4%増)で、その申告所得金額は102兆3,381億円(同4.1%増)、申告税額の総額は18兆7,139億円(同7.6%増)と前年を上回っており、申告所得金額、申告税額の総額は、ともに過去5年連続の増加で過去最高となっている。
 
黒字申告の件数は、117万件(同2.8%増)、黒字申告の割合は、36.5%(同0.5ポイント増)と前年を上回っているものの、黒字申告は申告件数全体の約3分の1程度となっている。
 
申告欠損金額は、17兆4,925億円(同12.2%増)、赤字申告1件当たりの欠損金額は、855万円(同11.5%増)といずれも増加しており、法人全体の申告所得金額や申告税額が増加している中で、申告欠損金額等が増加する状況となっている。
 
グループ通算制度を適用している通算法人の申告状況については、申告件数は19,457件(同2.8%増)で、その申告所得金額は32兆6,885億円(同9.8%増)といずれも増加している。
 
通算法人の黒字申告件数は10,894件(同4.6%増)、黒字申告割合は56.0%(同1.0ポイント増)と前年を上回っており、通算法人の約半数以上が黒字申告の状況である。
 
通算法人における申告欠損金額は1兆6,006億円(同34.4%減)、赤字申告1件当たりの欠損金額は1億8,700万円(34.7%減)であり、通算法人では申告欠損金額等は減少している。
 
令和6事務年度の源泉所得税額等の税額は、20兆3,445億円(前年度比4.6%減)であり、令和4事務年度をピークに2年連続で減少となっている。
 
項目別でみると、給与関係については、給与所得が12兆3,694億円(同4.9%減)、退職所得が3,389億円(同9.7%増)となっており、給与所得の減少は、定額減税実施の影響を受けているものと考えられる。
 
利子所得等は5,365億円(21.8%増)、配当所得等は3兆2,503億円(27.9%減)、特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等(以下「特定口座分」)は1兆4,251億円(72.4%増)、報酬料金等所得は1兆2,211億円(1.9%減)、非居住者等所得は1兆2,031億円(19.4%増)となっており、配当所得は大きく減少しているが、特定口座分と非居住者等所得については、大幅に増加している。
 
また、令和6事務年度の法人税e-Tax利用率については、89.1%(前年度比2.9ポイント増)、法人申告のうち、主要別表及び財務諸表などに添付すべき書類がe-Tax送信となるALL e-Tax率は67.7%(同3.9ポイント増)とe-Taxで申告した法人の4社に3社の割合でALL e-Taxによる申告となっており、e-Taxによる申告が順調に普及していることがわかる。
 
(参考)令和6事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/hojin_shinkoku/index.htm