2025-09-11
国税庁は、8月27日「令和6年度租税滞納状況の概要」を公表した。
「令和6年度租税滞納状況の概要」は、大きく、「租税滞納の状況」と「滞納の未然防止及び整理促進に関する取組」からなっている。
「租税滞納の状況」は、令和6年度末滞納整理中のものの額(次期繰越額)は、9,714億円となっており、新規発生滞納額は、9,925億円で、令和5年度と比較すると、1,928億円(24.1%)増加している。新規発生滞納額は、ピーク時(平成4年度)の約5割となっている。
滞納発生割合は、1.2%となっており、引き続き、低水準で推移している。一方、整理済額は、9,488億円となっており、令和5年度と比較すると、1,818億円(+23.7%)増加している。滞納整理中のものの額は、9,714億円となっており、令和5年度と比較すると、437億円(+4.7%)増加しているが、滞納整理中のものの額は、ピーク時(平成10年度)の約3割となっている。
国税庁では、「滞納の未然防止及び整理促進に関する取組」として、〈国税庁ホームページ、SNS等による広報・周知〉、〈キャッシュレス納付の推進〉、〈「予納ダイレクト」による納税資金の準備の呼び掛け〉、〈個々の納税者に対する納付指導〉を通じて、滞納の未然防止策に取り組んでいる。
〈国税庁ホームページ、SNS等による広報・周知〉では、国税庁ホームページ「納税に関する総合案内」で、納付手続、計画的な納税(資金の積立て)の方法、納付が困難な方への猶予制度のご案内など、納税者の方のニーズに応じて、様々な情報を提供しており、また、SNSを活用した納期限や振替期日などの周知のほか、地方公共団体、税理士会、関係民間団体、業界団体等の協力を得て、各種広報媒体や説明会等の機会を活用し、期限内納付のための広報・周知を実施している。
〈キャッシュレス納付の推進〉では、納税者利便の向上と現金管理等に伴う社会全体のコストを縮減する、更には滞納の未然防止の観点から、キャッシュレス納付(振替納税、ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)、インターネットバンキング等による電子納税、クレジットカード納付、スマホアプリ納付)の利用拡大に取り組んでおり、納付件数の多い源泉所得税のキャッシュレス納付の利便性を実感できるように、徴収高計算書の作成・送信から納付手続までの一連の操作を体験することができる「源泉所得税のキャッシュレス納付体験コーナー」を令和7年3月からe-Taxホームページに開設している。
〈「予納ダイレクト」による納税資金の準備の呼び掛け〉では、スマートフォンなどから簡単な操作で手続が完了する「予納ダイレクト」による納税資金の準備を勧めており、税理士会、関係民間団体、業界団体及び各種説明会を通じた広報・周知を行っている。
〈個々の納税者に対する納付指導〉では、滞納の未然防止を図るため、納期限の前後に納税コールセンター等において、個々の納税者の方に対する納付指導を実施しており、申告後、納期限前には、【期限前納付指導】として、最近の納付が期限後納付だった者を対象に「期限前納付指導はがき」の送付及び納税コールセンター等で電話による納付指導を実施している(年間約24万者)。納期限後には、【督促前納付指導】として、督促状発送予定の方を対象に、納税コールセンター等で電話などによる納付指導を実施している(年間約55万者)。
(参考)令和6年度租税滞納状況の概要
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozei_taino/pdf/sozei_taino.pdf