青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除

対象税目

法人税

 

概要

確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前10年(注)以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額は、各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入されます。

(注) 平成30年4月1日前に開始した事業年度において生じた欠損金額の繰越期間は9年です。

 

繰越控除をする法人等

欠損金の繰越控除をする法人は、欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して確定申告書を提出している法人です。

欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出していれば、その後の事業年度について提出した確定申告書が白色申告書であっても、その欠損金額についてはこの繰越控除の規定が適用されます。

ただし、他の者による特定支配関係(注)を有することとなった欠損金額等を有する法人(欠損等法人)が、その特定支配関係を有することとなった日(以下「特定支配日」といいます。)から5年以内に、旧事業(特定支配日の直前において営む事業)のすべてを廃止するとともに、その旧事業の事業規模のおおむね5倍を超える資金の借入れ等を行うことなどの一定の事由に該当するときは、その該当する日の属する事業年度(以下「適用事業年度」といいます。)以後の各事業年度においては、その適用事業年度前の各事業年度に生じた欠損金額については、この繰越控除の規定は適用されません。

(注) 特定支配関係とは、他の者がその法人の発行済株式または出資の総数または総額の50パーセントを超える数または金額の株式または出資を直接または間接に保有する関係その他一定の関係をいいます。

 

繰越控除される欠損金額

繰越控除される欠損金額は、各事業年度開始の日前10年(注1)以内に開始した事業年度において生じた欠損金額です。ただし、この欠損金額からは、この繰越控除の規定の適用を受けようとする事業年度前の各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入された欠損金額および「欠損金の繰戻しによる還付」の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となった欠損金額は除かれます。また、損金の額に算入される欠損金額は、欠損金の繰越控除の規定を適用せず、かつ、法人税法第59条第3項(会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入)、同条第4項(解散事業年度の期限切れ欠損金の損金算入)および第62条の5第5項(現物分配による資産の譲渡)の規定を適用しないものとして計算した場合におけるその事業年度の所得金額を限度とします。

例えば、繰越欠損金の額が150万円で、その事業年度の繰越欠損金控除前の所得金額が100万円の場合には、150万円のうち100万円が損金の額に算入され、その事業年度の所得金額は0となります。

なお、中小法人等(注2)以外の法人(一定の投資法人及び一定の特定目的会社を除きます。)の各事業年度(更生手続開始の決定等の一定の事実が生じた法人や新設法人の一定の事業年度を除きます(注3)。)における上記の控除限度額は、繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得の金額に対してそれぞれ次の率を乗じた金額とされています。

(1) 平成24年4月1日から平成27年3月31日開始事業年度:100分の80

(2) 平成27年4月1日から平成28年3月31日開始事業年度:100分の65

(3) 平成28年4月1日から平成29年3月31日開始事業年度:100分の60

(4) 平成29年4月1日から平成30年3月31日開始事業年度:100分の55

(5) 平成30年4月1日から開始事業年度:100分の50

(注1) 平成30年4月1日前に開始した事業年度において生じた欠損金額の繰越期間は9年です。

(注2) 中小法人等とは、普通法人(投資法人、特定目的会社および受託法人を除きます。)のうち、資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの(100パーセント子法人等及び大通算法人(※)を除きます。)または資本もしくは出資を有しないもの、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等をいいます。

この「100パーセント子法人等」とは、資本金の額もしくは出資金の額が5億円以上の法人または相互会社等(以下これらを併せて「大法人」といいます。)による完全支配関係(一の者が法人の発行済株式等の全部を直接または間接に保有する関係をいいます。)がある普通法人、完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている普通法人をいいます。

(※) 大通算法人の意義は、コード5900「グループ通算制度の概要」を参照してください。

(注3) 更生手続開始の決定等の一定の事実が生じた法人や新設法人の一定の事業年度とは、次表の左欄に掲げる法人の中欄に掲げる事業年度(次表の右欄に掲げる事業年度を除きます。)とされています。

対象法人 対象事業年度 対象事業年度から除かれる事業年度
1 次の事実が生じた法人    
  (1) 更生手続開始の決定があったこと  その更生手続開始の決定の日からその更生手続開始の決定に係る更生計画認可の決定の日以後7年を経過する日までの期間(同日前においてその更生手続開始の決定を取り消す決定の確定その他の一定の事実が生じた場合には、その更生手続開始の決定の日からその事実が生じた日までの期間)内の日の属する各事業年度  その更生手続開始の決定があった日以後にその法人の発行する株式が金融商品取引所等に上場されたことその他のその法人の事業の再生が図られたと認められる一定の事由のいずれかが生じた場合には、その上場された日その他のその事由が生じた一定の日のうち最も早い日以後に終了する事業年度
(2) 再生手続開始の決定があったこと  その再生手続開始の決定の日からその再生手続開始の決定に係る再生計画認可の決定の日以後7年を経過する日までの期間(同日前においてその再生手続開始の決定を取り消す決定の確定その他の一定の事実が生じた場合には、その再生手続開始の決定の日からその事実が生じた日までの期間)内の日の属する各事業年度  その再生手続開始の決定があった日以後にその法人の発行する株式が金融商品取引所等に上場されたことその他のその法人の事業の再生が図られたと認められる一定の事由のいずれかが生じた場合には、その上場された日その他のその事由が生じた一定の日のうち最も早い日以後に終了する事業年度
(3) 再生計画認可の決定があったことに準ずる事実など法人税法第59条第2項に規定する一定の事実((2)の事実を除きます。)  その事実が生じた日から同日の翌日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度  その事実が生じた日以後にその法人の発行する株式が金融商品取引所等に上場されたことその他のその法人の事業の再生が図られたと認められる一定の事由のいずれかが生じた場合には、その上場された日その他のその事由が生じた一定の日のうち最も早い日以後に終了する事業年度
(4) (1)から(3)までの事実に準ずる一定の事実  その事実が生じた日から同日の翌日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度  同上
2 新設法人(普通法人に限り、100%子法人等および株式移転完全親法人を除きます。)  設立の日(合併法人である場合にはその合併法人またはその合併に係る被合併法人の設立の日のうち最も早い日等一定の日)から同日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度  その法人の発行する株式が金融商品取引所等に上場されたことまたは店頭売買有価証券登録原簿に登録されたことのいずれかが生じた場合には、その上場された日またはその登録された日のうち最も早い日以後に終了する事業年度

 

損金算入の順序

繰越欠損金がその事業年度開始の日前10年(注)以内に開始した事業年度のうち2以上の事業年度において生じている場合には、最も古い事業年度において生じたものから順次損金算入をします。

(注) 平成30年4月1日前に開始した事業年度において生じた欠損金額の繰越期間は9年です。

 

対象者または対象物

欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して確定申告書を提出している法人

 

根拠法令等

法法57、57の2、平成23.6改正法附則10、14、平成23.12改正法附則10、14、平27改正法附則21、27、平28改正法第18条による平27改正法附則27①の一部改正、法規26の3、59、法基通12-1-1

 

タックスアンサーNo.5762参照

[令和5年4月1日現在法令等]