年末調整、マイナンバー「記載なし可」の要件に注意!

企業の年末調整の作業が本格化する時期が近付いてきた。すでに提出されている2016年分の扶養控除等申告書の内容確認と従業員から2017年分の同申告書を提出してもらうことになる。2017年分の同申告書からはマイナンバー(個人番号)の記載が必要となるが、従業員等が企業に対してマイナンバーを提供済みのときは、一定の要件のもと、マイナンバーの記載のない同申告書の提出が認められる。

マイナンバー記載不要の特例は、2017年分の扶養控除等申告書から「給与支払者が従業員等のマイナンバー等を記載した一定の帳簿」を備え付けていることを要件にマイナンバー記載を不要とするもの。一定の帳簿とは、扶養控除等申告書に記載されるべき従業員本人、控除対象配偶者、控除対象扶養親族等の氏名、住所及びマイナンバー、帳簿の作成に当たり提出を受けた申告書の名称、同申告書の提出年月日が記載された帳簿である。

また、扶養控除等申告書とは別に、従業員等からすでにマイナンバーの提供を受けている場合は、2016年分の申告書の余白に「給与支払者に提供済みのマイナンバーと相違ない旨」を記載することで、2016年分は記載省略、2017年分は記載不要となる取扱いもある。給与支払者は、すでに提供を受けている従業員等のマイナンバーを確認し、申告書に確認した旨を表示すれば、申告書の提出時にマイナンバーを記載しなくてもいいことになる。

注意したいのは、帳簿の従業員等氏名やマイナンバーと扶養控除等申告書に記載の従業員等氏名やマイナンバーとが異なる場合だ。従業員本人分はマイナンバー取得時の本人確認書類があるので想定しづらいが、配偶者や親族のマイナンバーは記載誤り、入力誤りなどがないとは言えないので、2016年分申告書の異動の有無を確認してもらう際に、マイナンバーについても再度確認してもらう必要があろう。

変更や訂正は、(1)異動の内容等を記載した扶養控除等申告書を提出してもらうか、(2)変更前の氏名、住所又はマイナンバーと変更後の氏名、住所又はマイナンバーを記載した届出書を遅滞なく提出してもらう必要がある。