親族以外の第三者による事業承継の促進税制を要望

経済産業省は、2020年度税制改正に関する要望において、新たな付加価値の創出・獲得に向けたオープン・イノベーションの促進の観点から、連結納税制度の見直し等を掲げるとともに、新陳代謝等を通じた中小企業の生産性向上の促進との観点から、(1)親族以外の第三者による事業承継の促進、(2)創業後間もない中小企業の更なる成長の促進、(3) 少額資産の特例措置及び交際費課税の特例措置の延長、をポイントとして掲げた

(1)は、近年、後継者不在等を背景に、黒字企業を含めた企業の休廃業・解散件数が増加傾向にあり、現状を放置すれば価値のある企業や技術、ノウハウ等が失われる可能性がある。そこで、昨年の法人版事業承継税制の抜本拡充、今年の個人版事業承継税制の創設に続く第3弾の措置として、後継者不在の中小企業の事業承継を後押しすべく、株式・事業の譲渡やM&Aを通じた親族以外の第三者への事業承継促進のための税制の創設を求めたもの。

(2)は、クラウドファンディング等の新たな資金調達手法の普及に対応しつつ、創業後間もない中小企業の更なる成長支援のため、個人によるベンチャー投資促進税制(エンジェル税制)の対象となるベンチャー企業の要件を緩和する。創業間もないベンチャー企業に必要なリスクマネーを供給できるよう制度を見直すとともに、前回改正から11年が経過するエンジェル税制について、時代の変化に対応した所要の見直しを行うことを要望した。

(3)の少額資産の特例措置は、従業員1000人以下の中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、合計300万円までを限度に、即時償却(全額損金算入)することが可能となる税制措置だが、引き続き、中小企業者等における償却資産の管理や申告手続きなどの事務負担の軽減や、少額減価償却資産の取得促進による事務処理能力・事業効率の向上を図るため、同税制措置の延長が必要との考えを示している。

また、中小法人の交際費課税の特例措置は、法人が支出した交際費等は原則として損金に算入できないこととされているが、特例として、中小法人については定額控除限度額(800万円)までの交際費等を全額損金算入することが可能となっている。販売促進手段が限られる中小法人にとって、交際費等は事業活動に不可欠な経費であり、定額控除限度額(800万円)までの全額損金算入を可能とする同税制措置の延長が必要としている。

経産省の2020年度税制改正に関する要望は↓
https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2020/zeisei_r/pdf/1_02.pdf