厚生労働省、「就業形態の多様化に関する総合実態調査」の結果を公表

厚生労働省は、9月26日に令和6年「就業形態の多様化に関する総合実態調査の結果」を公表した。
 
この調査は、正社員、正社員以外の労働者(非正社員)の就業形態について、事業所側、労働者側の意識面も含めて把握し、就業形態に関する諸問題に対応した雇用政策実現のため実施されている。
 
令和6年は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所約17,000事業所とそこで働く労働者約23,000人を対象に、令和6年10月1日現在の状況を調査し、結果を取りまとめた。
 
調査結果によると、正社員がいる事業所は94.4%、非正社員がいる事業所は82.3%、正社員のみの事業所は17.7%であり、労働力を非正社員に頼る事業所が多いことがわかる。
 
なお、非正社員の就業形態については、パートタイム労働者が65.9%と最も高い。
 
正社員数の変化については、3年前(令和3年)と比べると正社員が「減った」と回答した事業所は29.6%、「増えた」は21.2%、「変わらない」は46.8%であり、多くの事業所において正社員数は、横ばいもしくは減少傾向にある。
 
一方、非正社員数の変化については、3年前(令和3年)と比べると「上昇した」が15.7%、「低下した」が16.7%、「ほとんど変わらない」が62.9%であり、多くの事業所において非正社員数は変わっていないと回答している。
 
業種別でみると、「上昇した」は、「電気・ガス・熱供給・水道業」において25.6%と最も高く、「低下した」は、「宿泊業、飲食サービス業」において21.3%と最も高くなっている。
 
今後の変化予測については、「ほとんど変わらない」とする事業所は55.4%で最も多く、「上昇する」は11.7%、「低下する」は9.2%となっており、産業別では、「上昇する」は「複合サービス事業」において16.7%と最も高く、「低下する」は「宿泊業、飲食サービス業」において14.5%と最も高くなっている。
 
非正社員の比率が上昇した事業所の就業形態については、「パートタイム労働者」が66.2%と最も高く、次に「嘱託社員(再雇用者)」が22.4%、「派遣労働者(受け入れ)」の12.2%と続いている。
 
非正社員を活用する理由については、「正社員を確保できないため」が41.0%と最も多く、次に「即戦力・能力のある人材を確保するため」が31.6%、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」が29.1%、「高齢者の再雇用対策のため」の28.9%と続いている。
 
非正社員について、現在の就業形態を選んだ理由をみると「自分の都合のよい時間に働けるから」が40.1%と最も高く、「家庭の事情(家事・育児・介護等)と両立しやすいから」が26.4%、「家計の補助、学費等を得たいから」の24.9%と続いている。
 
職業生活全体についての満足度については、正社員は、「雇用の安定性」が66.3%と最も高く、非正社員は「仕事の内容・やりがい」が63.3%で最も高く、非正社員の方が仕事の満足度に仕事内容・やりがいを挙げていることがわかる。
 
(参考)令和6年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概要

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/24/index.html