2025-08-29
総務省は、令和7年7月23日 自治体におけるAIの利用に関するワーキンググループ報告書を公表した。
この報告書では、人口減少下において、自治体における人手不足等の資源制約が深刻化する中で、持続可能な形で行政サービスを提供する観点から、自治体の業務効率化や行政の質の向上のための自治体におけるAIの利用に関し、具体的な利用の方策や留意事項等について幅広く議論が行われた。
報告書の概要は、この報告書の背景、基本的な考え方及び利用方法、留意事項、国による支援の方向性から成っており、税務会計業界でも利活用が検討されている生成AIの活用や導入、またガバナンス確保の方向性等参考となる情報が記載されている。報告書の概要は以下のとおり。
1.基本的な考え方及び利用方法
・生成AIは、知識やスキルを必要とする作業が可能であり、デジタル技術による単なる作業の代替にとどまらず、仕事の質とスピードを大幅に高め、飛躍的な業務効率化が、期待される。
・利用に当たっては、生成AIの出力結果には誤りが含まれうるといったリスク等にも十分留意した上での柔軟な姿勢が求められる。
・部局共通での利用だけでなく、生成AIの出力結果の精度を上げ、部局の個別の業務での利用を進め、専門人材の不在やベテラン職員の退職によるノウハウの不足を補完することが期待されている。
・従来型AIについても、引き続き自治体で導入促進が重要である。
2.留意事項
(1) ガバナンス確保のための体制構築
・AIの利活用・リスク管理における責任者の明確化が必要であり、国同様に、自治体にもCAIOの設置が考えられる。
・CAIOを専門的な知見から補佐するCAIO補佐官は、共同設置での確保等が考えられる。
(2) 要機密情報の取扱い
・「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を踏まえた上で、要機密情報の入力時に生成AI特有の配慮事項として、学習させない仕組みが重要であり、法改正等、国の動向を踏まえた対応が必要である。
(3) 人材育成
・首長や幹部職員の理解醸成、専門人材と一般の職員の橋渡しを行う職員(DX推進リーダー)、外部機関における研修、職員の基礎的リテラシー向上、外部人材や教育機関との連携等が重要である。
3.国による支援の方向性
(1) 自治体向けガイドラインの策定等
・R6年末時点で生成AI利用におけるガイドラインを未策定の団体は1,004団体にのぼる。
「自治体におけるAI活用•導入ガイドブック」を更新し、生成AIの利用方法や利用における留意事項等の記述を追加し、自治体が作成するガイドラインのひな形として示すことが必要である。
(2) ユースケース等の横展開
・自治体が効果や導入に当たっての留意点を実感しやすくなるよう、「自治体DX推進参考事例集」等の掲載事例を拡充・周知すべきである。
(3) 国における取扱いの情報提供
・国の先進的AI利活用アドバイザリーボードの運用で得られた情報など、総務省が自治体のAI利用において役立つものを提供すべきである。
・「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に盛り込まれた国によるAIの利活用環境の提供に当たっては、自治体へ継続的な意見聴取が望ましい。
(参考)自治体におけるAIの利用に関するワーキンググループ(第6回)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/jizokukanonachihozaisei/02gyosei04_04000172.html