財務省、「もっと知りたい税のこと(令和7年7月)」を公表

財務省は、7月28日にホームページで、パンフレット「もっと知りたい税のこと(令和7年7月)」を公表した。
 
このパンフレットは、税金に関する基本的な知識を一般向けに紹介しており、毎年公表されている。
 
まず、導入の「税」の意義と役割では、「税」とはみんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくための「社会の会費」であり、財源調達、所得再分配、経済安定化の3つの役割と公平、中立、簡素の3原則で成り立っていると解説している。
 
次に国の税収では、税収はバブル景気のもとで平成2年度は約60兆円台となったが、景気低迷やリーマンショックの影響等で、平成21年度には38.7兆円にまで落ち込んだ。
 
その後、景気回復や消費税率の引上げで税収増が続き令和6年度に75.2兆円となり、令和7年度予算では、約77.8兆円を見込んでいるものの、税収等では歳出全体の約4分の3程度しか賄えないため、残りは公債金、いわゆる借金に依存する現状を説明している。
 
本題では、「所得税」や「相続税」、「贈与税」、「消費税」、「法人税」など国の税金について図や表を交えてわかりやすく解説している。
 
例えば「所得税」では、給与所得者の所得税額計算のフローチャート、所得の種類と課税方式、人的控除の対象者と所得要件、税率の推移を説明している。
 
「相続税」、「贈与税」について「相続税」では、課税の仕組みや過去の制度見直し、税収の推移のほか、財産の価額が高くなるほど税率が上がる累進税率を適用することで、資産の再分配を図っているなど役割も説明、「贈与税」では、課税の仕組み、暦年課税と相続時精算課税の概要のほか、早期に高齢者の保有資産を子や孫世代に移転できるよう相続時精算課税制度を導入した経緯も説明している。
 
「消費税」では、課税の仕組みや軽減税率制度・インボイス制度(適格請求書等保存方式)の概要、実際に扱うインボイス(適格請求書)のイメージを掲載している。
 
「法人税」では、企業会計の利益と課税所得の違い、法人税の計算イメージ、実行税率の国際比較を説明している。
 
また、「国際課税」では、国際的な課税逃れを防ぎ、公平な競争条件を整えるため140以上の国・地域が参加する「BEPSプロジェクト」や租税条約にも触れている。
 
このパンフレットを一読することで税金についての基本知識と現状を押さえることができる。
 
(参考)もっと知りたい税のこと

https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei0707_pdf/all.pdf