2026-07-15
国税庁は7月1日、相続税や贈与税の土地評価の基準となる「令和8年分路線価」を公表した。
相続税や贈与税において土地等の価額は時価で評価されるが、納税者が自ら正確な時価を把握することは、容易ではないため、国税庁は毎年、全国の標準宅地について路線価や評価倍率を定めて公表している。
公表された路線価図や評価倍率表は、国税庁のホームページで閲覧することができ、納税者や税理士、不動産関係者など幅広く活用されている。
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額をいい、1月1日を評価時点として、地価公示価格のおおむね8割を目安として設定されている。
令和8年分の全国の標準宅地の平均上昇率は、前年比2.9%上昇し、5年連続の上昇となり、現在の算定方法となった平成22年以降では最も高い上昇率である。
この背景には景気の緩やかな回復、都市部での再開発の進展、住宅需要の堅調さ、さらには訪日外国人の増加による観光需要の拡大などが挙げられる。
また、都市部以外の地方の観光地やリゾート地域でも地価上昇が見られ、地価回復の動きが全国に広がっていることが特徴となっている。
全国で最も高い路線価となったのは、東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り(鳩居堂前)で、1平方メートル当たり5,336万円と前年比11.0%増加となっており、昭和61年分以降41年連続でトップとなっている。
都道府県県庁所在都市の最高路線価の対前年比変動率については、9割を超える44都市において上昇しており、3都市が横ばいの状況であり、下落した都市はゼロの状況となっている。
路線価の上昇率(前年比)では、外国人観光客にも人気の長野県白馬村が3年連続全国1位で32.7%となっており、そのほかでは長野県野沢温泉村が31.3%、北海道富良野市が28.0%、東京都台東区浅草が27.5%と高い上昇率を示している。
一方で、能登半島地震や豪雨の被害を受けた輪島市の朝市通りはマイナス8.6%と昨年に引き続いて全国で最大の下落率を示している。
令和8年分路線価は全国的な地価回復を示す重要な指標となるとともに相続・贈与に関する税負担や不動産市場の動向を把握する上で大きな意味を持つ。
今後も都市開発や観光需要、経済情勢などの変化に伴う、地価の推移が注目される。
(参考)令和8年分の路線価等について
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2026/rosenka/index.htm
(参考)令和8年分路線価図・評価倍率表

